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​性癖を意外な部分で晒された男。


「いやー面白いよねぇ…。やっぱお前は見てて飽きないわ。うん。」

エルフェルトを抱え、思考世界を走る俺の隣で、ノイズが激しいモニター越しに語りかけてくる奴に、俺は妙な寒気がしやがり、

そいつを睨みつけた。

「…テメェ、元からだとは思ってたが、より一層頭が湧いてやがんのか?」

「いや酷いなw私に対しては特にお前はほんっと酷いなww
なんて事は無い、ただお前が、今…大切に抱きかかえてるエルフェルトを創った時の事を思い出していたのさ。

ラムレザルの時はジャスティスとの融合率で失敗ちゃったからさぁ、次は失敗しないようにしようって。
でもねぇ、ジャスティスの知識部分は殆どギアメーカーに持ってかれちゃってたから、困ったよねぇ〜、

そのせいでラムレザルは失敗しちゃったようなもんだし。
でもっ…!私思いついちゃった!思いついちゃったの!どうせ、絶対確定世界後の新人類達の母親になるであろうこの子にさ、

知識は別に要らないなって!
寧ろ、つがいになるであろうお前に、愛想つかされちゃう事の方が深刻だよねえって。
それからだよねぇ、お前の性格の分析とありとあらゆる趣向の分析、そしてぇ…、女の好み♡」

「ッ!?…テメェ…今すぐ火力30倍のコイツの威力をよっぽど味わいてぇみたいだな!?」

悪趣味を発揮しやがる慈悲無き啓示に、俺は思わす反射神経でジャンクヤードドッグを向け起動させる。

「そんなに怒る事ないじゃん?どうせエルフェルトは気絶してるし?…此処にいるのはぁ…?お前とぉ…私だけぇ!!
それにねぇ、お前は絶対に興味あると思うんだよね。エルフェルトがどうやって産まれてきたのかっていう…その理由。

…知りたくない?知りたくないの?」

「………っ、ちッ、」

「なんかさ、人形達はさ?やたら純愛ってやつ求めるじゃん?でもその割には、目の前の簡易な欲望に贖えない。
お前もてっきりそうだと思ってたんだけど、たまーに居るんだよね?本気で純愛貫いちゃう奴。
お前が思春期を経て性に目覚めてからずぅーっと女性遍歴調べまくったんだけど、
…どこもかしこも、アリアなの!アリア!アリア!!アリア!!!ここまでくるとさ、流石の私もドン引き…」


ウィーン………カチッ。

ボガァァーーン!!!!!


俺は何も起動準備を告げる事無く、ジャンクヤードドッグの引き金を引いた。奴のモニターからノイズ音がしやがる。

…こんなんで奴が滅びる筈は無いと判ってるが、とりあえず、煮えくり返った腹の虫は少しは収まり、一度だけ溜息をついた。


「あーもう、このモニター作るのにもエネルギー若干必要なんだから、破壊すんのやめてくんない?エネルギー切れで、

エルフェルト助けられなかったらどーしてくれんの!!」

「テメェが“此処”に出てきてやがる時点で、そんな事起こる筈ねぇだろうが。テメェは“そうゆう奴”だ。」

「ご名答!流石ソル=バットガイ!!理屈、理論に関しては、お前は全く騙されてくれなかったの思い出したわ。

…ま、さっきの話の続きだけどねー?エルフェルトが生まれた理由は、もう至極簡単!お前がアリアしか求めてなかった、

ただそれだけの理由。だからさ、初代ヴァレンタインの外見と同じでも全く良かったんだけど、

どうせ創るなら最高傑作創りたいじゃん!しかもぉ、お前を驚かせたいっ!!そしてぇ、計画をキチンと遂行したいっ!!
で、エルフェルトの顔立ちは、お前が一目惚れした頃のアリアの顔立ちそのものを流用したって訳。

でもさぁ…確かにこの顔はヤバイよねぇ〜?人形達の中では、格段に造形が素晴らしい。

カイ=キスクにも言える事だけどさ?人形達の中でも英雄ともてはやされる奴程、ほんっと面食いだと思わない?
人形達から“軍神”と讃えられてるソル=バットガイさん?」

「テメェ…、」

「ああ、勿論顔だけじゃないよ。身体もね?お前…エルフェルト、何度も喰ってんだろ?

一度貪って、味占めて…忘れらんなくて、何度も何度も。
フィット感半端無かっただろ…?…まるで自身の為にあてがわれたんじゃないかって錯覚する程に…。」

「………っ、」

「…その表情は覚えがあるんだな。だがまさしくその通りだよソル=バットガイ。
エルフェルトはお前の為に創った。一寸も狂いも無く、お前の本能が求めてしまうように、一度味を知ったら、
二度と離れられないように。

お前の女性に求めがちな知性はね、流石にほぼギアメーカーに持って行かれちゃったし、

残りの知識はラムレザルに全部使い切っちゃったから無理だったんだけどさぁ…
エルフェルト、あの子の趣向は割とお前に寄せてある。

あの子が私からの無意識の命令でエルフェルトに態とエラー起こす為に誰でも良いから結婚相手みつけて来て?って言ったらさ、

デスメタルシンガー選んできて、私ね、めっちゃビックリしちゃったんだよねえ!

お前もわりかし好きだろ?デスメタル。でもぉ、今のこの子はその事をお前には蒸し返されたく無くて必死に隠してるとか…!

いじらしくってさぁ〜!!なんかこうっ…抱き締めたくなるよねぇ〜。

あ、ゴメンゴメン、ちょっと話脱線した。

エルフェルトはお前の性癖に合わせて創ったって話だけどね?

エルフェルト…この子はさ、ラムレザルみたく器用に何でもこなせる訳でもないし、
ディズィーみたく人の機敏さに敏感で繊細な気遣いが出来るわけでもない。
ジャック・オーみたいに…頭が良いって訳でもない。

自分は一体何の魅力があるのかぁっぜんっぜんわからなくって、悩んじゃってる!悩んじゃってるんだけどっ!

お前ならわかんだろ?

そうじゃない、エルフェルトォっ、お前の魅力はそこじゃない!

…挿入した時にぃ…初めて解る具合の良さ…、そしてぇ…その反応っ!処女なくせして初っ端から中でイッちゃう!

奥でもガンガンイッちゃう!なのにね…?…全く痛がんなかったでしょ?
本人は、人形達の知識で振り回されて、痛くなかった自分が淫乱なんじゃないかって…凄くすっごく悩んじゃってたけどねぇ…

ナイスッエルフェルトっ!まさしく正しいっ!お前は淫乱なのっ!私がそう創ったからっ!!!」

「…御託はもう終いか…?」

「あー!それがエルフェルトの需要を独り占めして貪ってる奴の言う言葉?相変わらず酷いなw」

「…需要だと?“そいつ”はエルフェルト、コイツに当てはまる言葉じゃねぇな。“市場”に出ねぇなら需要なんぞ生まれる筈もねぇだろうが。」

「エルフェルトが市場に出るつもりなくても、勝手に競りに出されてる可能性は無くならなーい!
街を歩く度に見定られるっ!需要が増える、お前が、幾ら全ての人形共の視線を阻止しようとも、この子は人目を惹きつける!
私の護衛システムが消えたら、如実に現れるだろう。
あとさ?お前もなんとなしに感づいてるっぽいけど、エルフェルトは押しに弱いし、快感にも弱い。
しかもぉ、エルフェルトがお前を好きになってるのはぁ!あの子がお前に恋してたアリアの恋心があったから!!
勿論この子の本人の想いもキチンと育ってます!
でもねぇ?エルフェルトの異性の好みに関しては全く設定してないの!即ちッ!お前がエルフェルトほっときすぎたら、

愛想つかれて他の男の所にぃ…?」

「それこそねぇな。…コイツは、俺の見つけた俺の獲物だ。
…俺の過去を覗き見しやがったテメェなら判ってんだろうが、俺は自身が欲しいと思い手に入れたモンは、

何であろうと手放さねぇ…どんな手段を持ってしてもだ。」

「っはっはー!?、自分でそれ言っちゃう!?言っちゃうんだ!!
まあ、そうだよねー!そもそもお前が諦めが良かったら、ジャスティスは生まれて無かったしアリアも妊娠する事は無かったっ!
病に冒されて生きる気力を失った愛しの彼女に生きる執着を植え付ける為に、無理矢理妊娠させちゃうとかっ!

どんだけなの!?ねぇっ!!ホントどんだけ!?」

「テメェ…」

「あ?怒っちゃった?

でもぉ…そのお陰で私は助かりましたっ!無事、私の思惑通りに事を進められました!
お前達の罪のお陰で、私は絶対確定世界の為の礎を築けたのですっ!」

「ハッ、今更何言ってやがる、ソイツは全て頓挫しちまっただろうが。」



 

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