DORAGON
DOES
HISUTMOST
TO HUNT
RABBITS
D
oragon
rabbits
&
R
あの…戦いから半月、
イリュリア城の復興を祝う為のお祭りの準備に、イリュリア城は活気に色付いていた。
ヴァレンタイン襲撃が続いていた此処2年前までは、お祭りどころでは無かったらしくて、
久しぶりに盛大な物になればいいとカイさんは言っていたっけ。
自分もかつては、人類と全面戦争をしていた慈悲なる啓示の娘であり、ヴァレンタインの名を継承しているからか、
なんだか申し訳ない気持ちになってしまう。
そんな私達ヴァレンタインの気持ちを察してくれるシンのお母さんであるディズィーさんは、
自分もかつては人類に恐れられて、追い詰められたとはいえ、
無実な人々を傷つけてしまった過去があると私やラムに教えてくれた。
私はその話を聞く度に胸が一杯になってわんわん泣いてしまうからか、
ソルさんから、ディズィーさんの過去話を聞く事を禁止されてしまった。
最近のラムはディズィーさんに料理の作り方を必死に学んでいる。初めは酷い物だったけれど、
最近は上手く出来る物も増えてきて、シンがうまい!と笑顔を浮かべていた。
私も一緒に教えて貰ったけど、センスがあまりにも皆無らしくて、料理もソルさんに止められてしまった。
料理が著しく駄目なのは、アリアさんにそっくりらしい。私達は食べる専門ね!とアリアさんは私に笑顔を向けてくれる。
どうやら若かりし頃から苦手で料理を作る事は諦めていたらしい。
私は女子力の為に諦めたくなくて、この前こっそりラムに教えて?とせがんでも、
ソルさんてばラムにまで私には料理を教えるなと忠告してて、結局教えられずじまいだった。
私はふてくされて、夜のイリュリア城の庭のベンチに腰掛けて、脚をブラブラと揺らす。
真ん中には綺麗な噴水があって、近くに落ちていた小石を投げ入れてみる。
ポチャンと微かに音が聞こえるも、噴水の出る音ですぐ掻き消される。
誰も居ない大きな庭と夜でも法力で止まる事が無い噴水…。
もう秋だからか、冷たい水にそっと自分の人差し指だけで水を弾いてみる。
冬が近付けば曇りがちになって、雨ばっかりになって、セントエルモほどじゃないけど、
雷が鳴る日が増えていくんだと、前にソルさんから教えてもらった。
「もうそろそろ空も月も見納めなのかなあ」
ベンチから降りて、タイツとローファーを脱ぎ、思いきり脚を水に浸してみる。
かなり冷たくて、ジーンと染みてくるこの感じに、何故かちょっとだけ泣きたい気持ちになった。
半年前、私達は色々あった。色々あり過ぎて、最近の穏やかな幸せについて行けない自分が居た。
ラムは向上心一杯で、私から見ても輝いて見えて…
私は噴水に脚を入れたまま立ち上がり、寂しいんだと少しだけ声を張り上げ、足許の水を蹴り上げた。
「…ったく、こんな季節に水遊びか?」
私の様子を呆れながら、いつの間にか私を見ていたソルさんが、近くにあるベンチに腰掛ける。
「エルフェルト、テメェ飯はどうした?ラムレザルがお前を探していた」
俺にはどうでもいいがと言いたげに呟く。
「あっ!ソルさん…!?いつからそこにいらっしゃったんですかっ!?
あ……ラムが…、そうですか…。
わざわざ伝えに来てくださってありがとうございます。
でも…ごめんなさい。最近あんまり食欲無いから私は今日ご飯入らないって、ラムに伝えてきます」
私はそう言いながら、噴水から脚を出して、水を手持ちのハンカチで拭き、ローファーを履こうとしたら、
ソルさんに私の腕を強く掴まれる。
「テメェは良いから飯を食え。最近テメェがまともに飯食ってねぇってカイの野郎が俺にボヤきやがる。」
いかにもめんどくさいと苦虫を噛み潰したかのような表情。
掴まれた事に思わずドキっとして動けずにいたら、腕を引っ張られ、多分向かう先は皆が居る食道の方向。
ごめんなさい!今はあんまり行きたく無いんですと抵抗すれば、
振り向いたソルさんは私の身体をまるで荷物のように軽く持ち上げて肩に乗せられた。
うわわわ!?とバランスが崩れそうと慌てる私のことなんて気にも止めないで何故か三階に向かう階段を登り始め、
それぞれの個人の部屋があるフロアに向かい始める。
廊下を歩き、とある扉の前にソルさんは立ち止まり、目の前の扉のノブを掴み回す。
入った部屋は質素だけど豪華絢爛な飾りの付いたチェアやテーブル、天蓋付きのベッドが置いてあり、
その他に、旅支度の為の大きなバックが床に投げ出され、最低限持っていく荷物も床に直接に置かれている。
ソルさんは、肩に抱きかかえた私を天蓋付きベッドに降ろし、床に無造作に置かれていたワインボトルを拾い、
自身のポケットから、ワインオープーナーを出し、手慣れた手付きでワインを開ける。
部屋に備え付けられているチェストからワイングラスを二つ取り出し、ボトルから深い赤に染まった液体を注いで、
一口口に含み、その後グラスをテーブルの上にコトンと置いた。お前も飲むか?と渡されたワイングラスに、
ぶっきらぼうに差し出されたボトルの注ぎ口から溢れる液体は意外と静かに流れ出る。
ほんの少しだけの量を注がれ、飲めねぇなら俺に寄越せと言付けされ、
先程鞄の中から取り出していた何処かで土産として買って来ていたらしきチーズをナイフで手際良く切って渡された。
こうゆうもんなら食えるだろうと言わんばかりに。
意外にも綺麗に切られたチーズを一枚取り、ソルさんがいつもワインを飲む姿を思い出しながら、
グラスから液体を唇に流し込んだ。
喉が焼けて熱く感じた。食道に流れていく熱さに、驚いて少しだけ咳き込む。
その後それを食えば旨いと言われて慌てて食べたチーズの味は、朝食に出させるチーズとは全く異なり、
香りが強く、それがとても美味しいと感じられた。
身体が暖かくなって、頭はふわふわして楽しい。楽しい…のに、何故か涙が溢れて止まらなくで、
自分でもとても驚いてしまう。
「あ、あれ?おかしいなあ?凄くふわふわして楽しいのに、なんで…私…」
「何があったか知らねぇがな、随分見ねぇ内に湿気た面しやがって…。いつもの笑顔はどうした」
そんな私の様子にソルさんは、自身のワインを喉に流しながら目の前の椅子にドスンと腰掛け、
並々と注いだワインをグイっと煽りながら語る。
ソルさんは…意外にも、感情の機微に案外良く気付く人なんだなあと改めて思う。
私は、それに甘えて、ポツリポツリと、自分の想いを口にしていった。
「皆さん優しいし、ラムだって、シンだって…皆優しい…。
…私…こんなにも恵まれてるのに…、心に穴が空いて…虚しくて…」
私を見つめるソルさんの瞳が、私のその虚しさを見据えてるように感じる。
そして、否が応でも理解してしまった。
ソルさんの前だと、虚しさなんて吹っ飛んで感じなくなる自分自身に。
「ソルさん…次は何時旅立つ予定ですか?」
「さぁな。その日行くと決めた日に俺は行く」
「私も…一緒に連れてって下さい!」
少しの沈黙と、ソルさんの眉を潜める表情…。
判っていた。判っていたけど、突き付けられた現実はやっぱり痛いな…。
「駄目だ。前にも言っただろうが。街に行かねぇ日もある。食料に野生を狩る事もある」
「そんな事は平気です!」
座っていたベッドから立ち上がり思わずソルさんに近付く。
ソルさんは、私の事はお構いなしにワイングラスをテーブルに置き、懐から取り出した紙の箱の底をトントンと軽く叩く。
そこから煙草を一本抜き取り、随分と年季が入ってるジッポライターに火を点け、既に咥えていた煙草に火を点けた。
流れる様な一連の動作に私は思わず呆けてしまい、ぼーっと見つめていたら、
吐かれた煙に巻かれてしまい、思わず少しだけケホケホと咳き込んでしまう。
そんな私の姿を気遣ってなのか、違うのか判らないけど、ソルさんは立ち上がり窓の方に向かい、
カーテンを広げ、開けた窓に身を乗り出し手慣れた手付きで煙草を吹かしてる後ろ姿。
ふーっと、まるで深い溜め息の様に吐く煙は、季節の変わり目でで強くなってる風に呆気なくかき消されていった。
そっと近付く私の気配に気付いたソルさんは、煙草の吸い殻を自身から出した炎で燃やし尽くし、
その灰を風に撒き切り窓を締める。
その後、此方に振り向いたソルさんは、いつに無く強い眼差しで私を見下ろしていた。
「エルフェルト、今回はシンもラムレザルも居ねえ。全くの二人っきりだ。意味判ってるのか?」
その言葉に、私は思わず頬を紅くしてしまう。
私の反応に、流石のテメェもあれだけ経験すりゃ成長したみてぇだなと言われ、
なんて事言うんですか!と反論したところで、ソルさんからは笑みを浮かべられるばかり。
「テメェが察した通りだ。俺とお前は“互いに知らねぇって仲でもねえ”。だが、互いに人外だ。
子が授かったならば、国際問題まで発展するだろう。
他人事ならどうでも良いが、己の事だと洒落にならねぇ。… テメェも散々味わっただろうが。
それを回避するのが避妊具だが、街に滞在時ならまだしも、野営で避妊具が切れた時にお前はどうテメェの身を守る?
俺を信じるとかいうそんな甘っちょろい答えは無効だ」
「…前にもそうやって…ソルさん、あなたについて行きたいと言った私の主張を拒まれましたよね…。
あなたの言う事はとても正しくて、正しすぎて…言い返せなくて辛くて…。
でも、理屈じゃなくて!私はあなたとずっと一緒に居たいってだけなのに!」
「感情で物事を解決出来ると思い込みてぇなら、勝手にやってろ。
答えを出すまで、エルフェルト、お前を連れて行く事はしねぇ」
ぶっきらぼうに言い放たれた言葉にとても悔しくなって、私は思わずソルさんの服の襟元を掴んでしまう。
「…だったら、どうして…あなたは私の想いに応えちゃったんですかっ!? 今の言葉も私の為だからですかっ!?
前に私に無理させて、私の身体に深刻なエラーを発生させた事っ、まだひきずってるんですかっ!?
私はソルさん、あなたの傍にただ居たいってだけなのに!…こんな風に距離置かれるなら、
最初っから私の想いなんか無視してくれたらよかったんですよっ!!!」
「………………。」
「あなたが、ギアになる前の過去に、“アリアさん”に対して罪悪感を引きずってる事も何となく判ってるんです。
ジャック・オーさんから断片的に聞いただけですけど、
ソルさん、あなたは…“アリアさん”の意志を無視して傷付けた事を未だに引きずってるんではないですか!?
”アリアさん”に生きてて欲しかったんですよね!?生きる事を諦めて欲しくなかったんですよね!?
それの何が間違ってますか!?自分が一番大切な人を失いたくない!それの何処が間違ってるっていうんですかっ!!」
「エルフェルトっ!…黙れ!!」
「いいえ黙りません!!結果的に”アリアさん”が“ああ”なってしまったから、あなたはギアを憎み、自身を憎み、
カイさんに出会うまで、 自分が生きてるか、死んでるか判らなくなってるような生き方しか出来なかったんじゃありませんか!?
何故、もう一度“そこ”に戻ろうとするんですか!?
もう…自分の事を許してあげてください…許してあげてくださいよ…っ…」
勢いで掴みかかったソルさんのジャケットの襟をぎゅうぅっと握り締めて、私はボロボロと涙を零した。
涙が止まらなくて、呼吸がままならなくて、その内力が入らなくなって、
襟から手を離し、私はその場でペタンと尻もちをついて、床に両手をついてひたすら泣いた。
カーペットにポタポタと落ちていく自分の涙が、鮮やかな色を徐々に濁らせて行く…。
その最中も、ソルさんから、何か言葉を発せられる事は無くて、
外の風が微かに凪いでいる音だけが、部屋に響いていた。
もう…駄目なんだろうな。
そんな言葉を脳内で発し、私はゴシゴシと涙を拭って、すっくと立ち上がり、私は無理矢理笑顔をソルさんに向けた。
「…知り合ってたった半年しか経ってない奴が、偉そうな事沢山言ってごめんなさい。
今の言葉…、忘れてしまってかまいません。チーズとワインごちそうさまでした。」
私はペコリと会釈をし、後ろを振り向き扉のノブに手をかけた。
扉を開けて出て行こうとする私の腕を、咄嗟に掴み引っ張られる感覚。
扉のバタンと閉まる音と、私が扉に両腕を掴まれて押し倒されるのは同時だった。
「…っ!…そ、ソルさんっ!?」
「テメェは、何も判ってねぇ…!!!
俺はっ、…俺がっ!…ギアになった”アリア”を殺したっ!ギアに改造したのは“アイツ”だ…。
だが、ギアになると自ら選択したのは”アリア”だ、それを、選ばせちまったのは、俺が…”アリア”を……っ………」
掴まれた腕が痛い。
何より肩を震わせて、顔を伏せている目の前の人を見ている事が、辛い…。
私は、ソルさんが言葉を紡ぎきるまで、この痛さを感じていようと力を抜いた。
「…こんな事、私が言っても、説得力ないかもしれません。
でも…ジャック・オーさんがソルさんを見つめる眼差しは暖かくて…優しくて…見ててこっちが妬けちゃうくらいで…
それに…私だって、コレでも元は“アリアさん”です。だから…分かるんです」
私が力を抜く事で、ソルさんの腕の力も自然と抜けてくる。
離された両手でぎゅううっとソルさんの顔を包むように抱きしめた。
そして、耳元でありったけの想いを込めて囁く。
『フレデリック…もう…いいの。苦しまないで…』
ソルさんは一瞬驚くように私を見つめ、少しの間を空けてから、目を見開いて私を見つめ続けてる。
私はなんだか恥ずかしくなって、よせば良いのに、茶化すような言い訳を思わず勢いで言ってしまう。
「…なーんて!声色は本当似てないんですよねぇ…自分でも百も承知なんですけど、
今度はもっとジャック・オーさんに似るようにがんばりますので、今のところはこれで我慢してください!
あと、今度はジャック・オーさんとキチンと向き合ってみてくださいね。絶対、私と同じ事言いますから!保証します!
……あれ?…ソルさん…?」
扉に両手を突き、顔を反らし、肩を震わせてるソルさんの姿に、私は物凄く焦ってしまう!
「そ、ソルさん!?…だ、大丈夫ですかっ!?あああわたしなにか変な事言って…………!?」
もしかして“あのソルさん”を泣かせてしまったの!?っていう私の焦りは、無駄な労力だったみたいで、
ただ単に、私のモノマネが似なさ過ぎて笑いを噛み殺しているだけのようだった。
私は思わず恥ずかしさで頭に血が登ってしまう。
「…っ!?に、似てないなら、似てないって言葉に出して言って下さいよっ!!!
無言で笑われるとか…励まそうと頑張った私が馬鹿みたいじゃないですかあっ!!!」
未だに笑い続けてるソルさんを睨み付け、もう知りません!と顔を背ける仕草をする。
大きく溜息をついて、視線を前に戻せば、いきなり顎を指で上げられ、頭を扉に押さえ付けられながら、
ソルさんの唇が私の唇と重なった。
その際、驚きで目を閉じれなかった私と、わざと目を閉じなかったソルさんの視線が重なる。
先程まで、ボロボロ泣いていた私の目元や頬にこびりついていた涙を指で拭われて、
耳から頬にかけて、熱く火照るのを感じ取る。
一度離され、そのまま固まっていた私の表情にまた吹き出し、
「なんなら、目を閉じねぇ我慢比べと行くか?」とおかしそうに呟くソルさんの言葉に、慌てて首を振った。
ぴちゃぴちゃなのか、くちゅくちゅなのか、表現し難い音が、目を瞑っているからか、
余計に頭に響き渡って、頭を痺れさせる。
ダメ…も…何も考えられなくなっちゃう…!
私の思考は殆ど麻痺していて、只々、ソルさんの名前と、好き!好き!もっと…!っていう単語ばかりが頭を駆け巡っている。
もう…羞恥心なんて何処かに消え去って、自分から背伸びをして舌を突き出し、ソルさんの首の後ろに両腕を伸ばし、
髪をまとめてる結び目の下の出ているうなじのこぼれ毛の辺りをサワサワと弄っていく。
それをきっかけに離された互いの唇や舌は、糸が引き、ふと現実に引き戻された私は、
自分の唇から零れていたモノと、私の唾液でソルさんの唇を思わず凝視してしまって、物凄く恥ずかしさで顔が熱くなる。
首元に置いていた私の手を取り、何しやがる。と言いたげにソルさんは眉をしかめながらも笑みを浮かべてて。
私の心の中は動悸で今にも倒れてしまいそうだった。
「…っ、クソっ…」
「ソルさん…?」
私の両腕を掴み扉に押し付けながら、何やら悪態ついて溜息をつくソルさんに、
私は思わず、わ、私、なにかしちゃいましたかっ!?と慌ててしまう。
「そうじゃねぇ…、いや、エルフェルト、ある意味テメェのせいか…」
「えっ!?え?…あ、あの…なんかわかりませんが、ごめんなさい!」
私のせいと言われてオロオロする私の頭を、ソルさんは軽く叩き、
「そうじゃねぇ。ゴムが切れてただけだ」
スパッと言い切るソルさんの言葉に、私は暫く思考が止まってしまう。
えーと?ゴムって…あの…例のゴム…ですよね…?
「あの…その…つまりは…ソルさん的には…私と“そーゆう事”をしたくなった…って事…ですよね…???」
恐る恐る伺えば、おい、エルフェルト、今更何言ってやがる。テメェも相当乗る気だっただろうが。
ここまでさせといて最後までさせねぇとか、
生殺しにも程があるだろ。と、軽くデコピンをされてしまった。
「え…そ、そうゆうモノなんですか…?キスしたら、もう最後まで…なんですか…?」
「フレンチは知らねぇな。国によって挨拶代わりやら、そうじゃねぇのやら、様々だ。
だが、さっきテメェから舌ガンガン突っ込んで来たヤツは違うぞ。
女はどうだか知らねぇが、大体の男は、まあシたくなるだろ」
そう言って、私の首筋の後ろのうなじ辺りや、耳の後ろに手を添えて、 髪に指を通して梳いてくるソルさんの視線が、
私の瞳を強く射抜いて、私は未動き取れなくなる。
「あ、あの…わたし、私は、どうすれば…いいですか?」
辛うじて発した言葉に、ソルさんは口角を少し上げ、私を軽く抱き上げ、部屋のベッドに運んで降ろした。
少し此処で待ってろ。と、背中を向け、扉のノブに手をかけるソルさんの姿を、見送った。
期待と不安に身を震わせながら。
自身に割り当てられた部屋を出た後、さっさと城を出て、
目当てのモンを売ってそうな夜の繁華街がある地区までバイクを走らす。
イリュリア首都周辺は品行方正を良しとしやがる輩がこぞって住みたがるからか、
酒が飲める場所は疎か歓楽街すら存在しない。
イリュリア城中央区からだいぶ離れ、城を囲む城壁から一歩でも出れば、
イリュリアでは禁止されてはいるが黙認されている違法経営の歓楽街がちらほらと視界に入ってくる。
首都近辺では、アイツらの顔がちらつき落ち着いて酒なんぞ飲めるかと一度も踏み入れた事の無い歓楽街で
目当てのモンを探す為に、カスタムバイクでは無く、面倒くせぇが歩きで取り扱ってるであろう店を探しに行く。
…この辺りで、“そんなもん”買う羽目になるとはな。
聖騎士団に入り、坊や…いや、カイにやたら付きまとわれるようになってから、
イリュリアで酒どころか、歓楽街に足を踏み入れる気にすらなれなかった頃を思い出し、鼻で笑った。
漂う女物の香水の香り。
繁華街を歩く度、次々と声をかけて来やがる女共を適当にあしらいながら、目当ての店の前に立ち止まる。
「ねえっ!さっきから無視しないでよ!」
目の前で見上げてくる女の無理矢理金髪に染め傷んだ髪や、
粉臭くなるほど塗ったくられた肌。
不自然に彩られた目元や、薄く愛想笑いを浮かべる唇。やつれて痩けた頬を引きつらせて笑みを浮かべる姿に、
先程、俺の腕を掴みかかって、涙を流しながら訴えてきた奴の姿を脳裏で重ね、
目の前の女とのあまりの差に思わず鼻で嗤ってしまう。
俺の態度に整えられた眉を潜め睨んでくる女に、言葉に出すのも面倒くせぇとばかりに一言だけ言い放つ。
「失せろ。」
「なっ、…なにさ!こんな歓楽街で息荒くして目ぇギラつかせてんじゃないわよ!!
そんな顔して買わないなんざ、こっ、こっちはとんだ迷惑なのよ!!」
捨て台詞を履き、踵を返す女の姿には目もくれず、目当てのモンを探しに店の扉のノブに手を触れた。
高級商品が並ぶ棚の一番奥に目当ての物が並ぶ棚を見つけ、自身のサイズの物を何箱か重ねてレジに持っていく。
無愛想で厳つい店員に訝しげな目でジロジロ見られやがったが、此方も睨みを効かせながら、
W$の札を数枚出せば、何事も無かったかのように会計をし、紙袋に入れ渡される。
やっと帰れるとばかりに店の入り口に出れば、
先程の女ではない別の売女達が他の男を誘いつつ俺の方に視線を向けてくるからか、
うざってえとばかりに睨み付ければ、慌てて顔を背け始めた。
「あ!お帰りなさい!ソルさん!」
部屋の入り口を開ければ出迎えてくれた女の格好が、
自身の部屋に備え付けられていたバスローブ一枚に少しだけ驚かされる。
よくよく考えればこいつの性格上考えられない事ではないが、
そのバスローブの格好が俺の身体にあわせてあるもので、当然華奢な身体には合うはずも無い。
腰の帯で何とかごまかしてはいるものの、
鎖骨と奴の特徴でもある平均よりも遥かにデカイ胸の谷間がよりいっそう自身の眼下に飛び込んで見える。
丈の長さもあっている筈も無く、脚の方は長過ぎて今にも引きずりそうだ。
「…っあのっ、どうしてもシャワー浴びたくって…勝手にお借りしちゃいました。ごめんなさい!」
「…お、おう。」
己の声が裏返ってしまっている現象に、思わず焦る。
コイツが普段着用している服もやたら胸を強調しまくっているだろうが!!何驚いてんだテメェは!
自身の脳内で自身に突っ込んでしまう程動揺していたらしい。
その一人相撲も、エルフェルトからの声がけで終わりを告げた。
「あの…、女性用のバスローブなんてあったりしません…よね?」
「俺のあてがわれた部屋にどこにそんなもん置く必要がある。…なんなら、今からその辺のメイドに頼んで持ってきてやろうか?」
「そっ、それはダメです!そんな事をソルさんが頼んだら、一気にお城中の噂の的になっちゃうじゃないですか!!」
「そもそもだ。俺が居ねぇ内に、部屋に戻って取りに行けばよかったんじゃねぇのか。」
寧ろ何故、それを思いつかなく俺のモンを着たんだテメェは…。
そんな事を脳裏をかすめたが、エルフェルトにそんな理屈は通用しない。思わず自身の頭を押える。
「あっ…!そうでした!!あああ私の馬鹿っ!!そしたら色々取りに行けたのに!!…よしっ!今からひとっ走り…!」
「そんな格好で外出るつもりかテメェは!」
扉に向かおうとしたエルフェルトの着ているバスローブの襟を後から掴む。
慌てて振り向いた奴は、少し苦しかったですと涙目を浮かべて、こちらを睨んでくる。
「だ、だって今…すっぴんなんですもん…シャワー浴びた後気づいて…ものすごくいたたまれなくて…っ。」
「くだらねぇ。化粧してもしなくても変わんねぇよ。」
「むう!またソルさんは私を子供扱いしてっ!!」
「逆だ、寧ろ何もすんな。特にアレだ、ファンデーションはやめておけ。
昔よりかは改善したらしいが、あんなもん人工物質の塊だ。それに化粧は舐めた時、粉臭くてしゃあねぇ。」
「…な、舐めっ!?…ソルさん…今までどんな女性とお付き合いしてきてたんですか!?
きっと、お化粧ばっちりの年上の美人とかっ、きっと私なんかじゃ太刀打ちできない程の綺麗な人たちと沢山っ!!!
現に、今のソルさんから女の人用の香水の香りがしてるじゃないですかっ!
…わ、私との、キス、物足りなかったん…」
「テメェと致す為に買いに行ったモンが、歓楽街にした売ってなかったってだけだ!
その間女共が勝手に俺にすり寄って来ただけで俺は何もしてねぇ!!」
「それ…本当ですか?…信じていいんですか?」
「じゃあテメェは、俺がわざわざコイツをきっちり買ってきた理由を何だと思ってんだ。
此処イリュリアはそもそも歓楽街がねえ。
城壁を出て直ぐのの周辺にゃ辛うじて飲み屋が転々としてる有るのみで、
歓楽街に行く為に何もねえ荒野をひとっ走りさせる必要がある。
やっと着いた歓楽街で、勧誘してくる売女をいちいち相手にしやがったら、
そもそも俺は此処に帰ってくる必要もねぇだろうが。」
「…でも香水がこんなに移るのは、誰か他の女の人とくっついてたからじゃ…。」
「一人やたらひつこい奴が居ただけだ。こんなもん、水浴びすりゃあすぐ消えるだろうが。」
「…それでもやっぱり悔しいです!…わっ、私も一旦香水つけに…!」
「やめろ!香水はもっといらねぇ!テメェ自身の匂いを消すつもりか!」
「え…ええっ!?私そんなに匂うんですかっ!?それ聞いたら尚更ダメです!!
もう一度シャワー浴びて、やっぱり香水取ってきまっ…!!
…って、ソルさん!?離してくださいっ!!!っ!?きゃあっ!?!そんなとこ鼻に近付けっ!?そ、それはっダメェ!?」
逃げるエルフェルトの身体を抱え込み腕を上げ、脇の部分に自身の顔をわざと這わせる。
始めはバスローブ越しに、案の定何もつけていない身体から発せられる匂いはエルフェルトそのものの匂いしかない。
判るように態と吸い込んだ。
ひゃあぁあ!などの、変な奇声はもはや慣れた。
しっとりと汗が滲んでいるバスローブの袖を思い切り捲り、手の付け根に舌を這わし、口で鬱血させ、
跡を残すように下に降ろして行く。
その最中にもエルフェルトの声を圧し殺し鼻を抜けた嬌声が自身の耳を愉しませる。
脇の裏に舌を這わした瞬間、ダメです…だとか、恥ずかしい…とか語ってやがったものが、
徐々にその内、ただ感じてる声に変化し、ビクビクと身体が揺れる仕草に自身の口角を無意識に上げてしまう。
「そ、ソルさんっ、さっきっから脇ばっかりは、あ、あまりにも…そのっ…恥ずかし…んですが…っ。」
「ああ?他の場所は恥ずかしく無いってんだな?そしたら次は此処にするか。」
もはや腰が抜けて、膝が床に付いているエルフェルトの膝裏に手を潜らせ、片足のみ上に持ち上げれば、
案の定下着すらつけて居ない、奴の秘部が視界に丸見えに写る。
言うまでもなく溢れだした愛液は、重力に伝ってテラテラと尻の付け根を伝い、床に広がるバスローブに染み込んでいく。
「だ、だめ!そんな所っ、き、汚いですっ!見なかった事にして下さいっ!わっ、忘れて下さいっ!!
そもそもこんな明るい場所で、じっ…じっくり見ないでくださいっ!!」
「そいつは今更だな。生憎だが俺は記憶力が良い。一度憶えたモンはなかなか忘れられねえ質でな。
そんでもってだ、暗がりだと見えてねぇ根拠は何処にある?
俺は夜目が効く。テメェもそうだろうが。忘れたんなら今すぐ思い出してみろ。」
その言葉に尚更顔が紅くなり顔を背け、そうだったぁ…最近規則正しい生活してたから忘れてたけど、
ギアは夜も良く見えるんだったあ…
などと何やらブツブツ呟きながら、両手で顔を隠しながら肩を震わせているエルフェルトの姿。
久しぶりに見た蜜壺の入口は、前に己が致した時よりだいぶ時間が経過したからか、穴が若干小さくなっているように見える。
自分以外には誰も貫いていないのだと瞬時に理解出来るも、
一度快感を知った女は助平な奴ほど自身で開発するもんだがな、と。
エルフェルト、コイツは行動が突拍子無く変に耳年増で恋愛脳だと思っていたからか、
てっきり性に奔放などと勝手に解釈していたが、どうやらそうでは無いらしい。
穴が狭くなってやがると一言発し、初めは薬指、次に中指と増やし、
挿入していく指の動きに、ピクンピクンと身体を震わし、
そんな事言わないでくださいと涙目で睨む女に、俺は悪戯心でテメェに教えておくことがあると耳元で呟いた。
俺の提案に、そ、そんな事出来ませんっ!!と首をひたすらに横に振るエルフェルトに、
「一応お前でも、自慰行為の意味は知ってやがったみてぇだな。」
そう耳元で囁いてやれば、目の前のコイツは、肩をふるりと震わせた。
◇◇◇◇◇
「な、なんでっ…そんな事してる姿…、見たいんですかっ!!?」
顔も耳もまるで熟したトマトのように赤い。
お前だからこそ見たいっつう理由は、通じねえんだろうな。
恥ずかしげもなくおおっぴらな女がする自慰行為は別に見たくもなんともねえ。
それは、ストリッパーが踊りながら股開いてる姿と大差ねえじゃねぇか。
躊躇するエルフェルトの腕を掴み、この城の別館のどの部屋にも確保されているであろう大鏡の前に連れて行く。
自身が先に床に座り、その上にエルフェルトを座らせ、抵抗するのを力づくで膝を開かせる。
それでも閉めようとする膝を自身の両脚で押さえ込み、奴の白い手を掴みテメェ自身の膣口へ指を誘った。
此処に自分の指入れて、事を致すのは理解してんのか?
そう聞いてみれば、指は怖くて入れられませんときたもんだ。
じゃあ、テメェが己で致してたのは此方の方かよ。そう呟きながら、
既に主張し始めていたエルフェルトの陰核を溢れていた愛液を纏わせながら腹の指で刺激すれば、
背中をビクっと仰け反らせ、唇を噛み締め、感じまくってる姿を目の前の鏡がまざまざと映し出していた。
「あ…ひゃ…っ、あっ、あん!、あ…っ!?え…?…なっ、なんで…っ、」
「陰核ならテメェで出来るだろうが。…いいからやってみろ。もう少しででイキそうだったんじゃねえのか?」
「…いやぁ、だめ…だめです……っ!」
こんな事…見られながらするなんて恥ずかしすぎますう!と泣き叫び、
首をふるふると横に振るエルフェルトの耳の後辺りを唇で弄り、
わざと音を立てて吸いながら、…さっさとしろと態とらしく熱を含めた吐息を交え一言呟く。
顔を此方に見上げ、涙目で睨む女の訴える眼を細目で見つめれば、
「だ、だったら…、そ、ソ、ソルさんから…き、キス…してくださいよ…。」
とふて腐れながら呟きやがった。
見上げていた顔を此方から持ち上げ初めは触れるのみ、その内貪るように口内を蹂躙しながら、
エルフェルトの指先を奴の陰核に触れるように動かしてやれば、
その内、自身で指を動かし始め、その行為に没頭し始めている様を鏡の向こう側の世界が映し出す。
その際にゆさゆさと揺れる乳を後ろから揉みしだき、立ち上がった先端部を刺激してやれば、
喉を唸らせ気持ち良いと虚ろに訴えながら軽くイってる様を目の当たりにし、俺は思わず生唾を飲み込んだ。
直に座っている床に敷かれてる絨毯に、奴の秘部から溢れた愛液が染みを作っている。
ハァハァと肩で息をし、くったりとしているエルフェルトの指先をもう一度陰核の方に這わせる。
「…おい、やめんな…っ、そのまま続けろ…」
己でも驚く程に興奮しながら発せられた声に、エルフェルトは素直に先程自身で致していた行為をゆるゆると再開させる。
目を頑なに閉じ眉を潜め、喉を鳴らして感じているエルフェルトの姿を確認しながら、
陰核の下のトロトロと汁が溢れ出てるその小せえ穴に己の人差し指と中指を突っ込んで行く。
その際奴は驚き、動かしていた手を止めようとするからか、そのまま動かしてろと言葉を放てば、
戸惑いながらも行為を再開させた。
片手で奴の膣内を弄り、もう片手で奴の乳を揉みしだき先端部を弄っていく。
鏡に映し出されるエルフェルトの醜態は、たまらなく俺を興奮させやがる。
「エルフェルトっ、テメェの中、凄ぇ事になってるぜ……、指が締められ食われそうだ…っ、」
「…っ!!こ、こえっ…そ、そのこえでっそんなこといわれたらっ、
いわれたらあっ!!!…わ、…わたしっ!!!、…っ!!!んぁあぁっ!!!」
ぬるぬると出し入れを繰り返していた自身の人差し指と中指を、
奥に狙いを定めて中でかき混ぜるように揺らしてやれば、奴が自身で弄っている指先がその内震え、
背中を仰け反らせ、開いていた脚を高く上げ足の爪先をギュッと握り締め、声にならない声で泣き叫び、
俺の腕の中で思いっきりイきまくり果てた。
「エルフェルト、…次は、自分の指をその穴ん中に突っ込んでみろ。
俺の指を借りて逝く事しかできねぇなら教えてやってる意味がねぇ。」
「…い、いやぁ…!!っもう、勘弁してくださ…っ。」
「お前は、俺が居ねぇ時一人で致すのは陰核のみか?…俺がテメェを開発する時、
きっちり膣奥のみ開発した。寧ろ陰核なんぞ触った記憶すらねぇんだがな。
実際物足りねえ筈なんだが、そこん所どうなんだ、ああ?」
聞かせろ、そう促せば、肩を震わせこちらを睨みつけ、言葉を発せずに吃らせてるエルフェルトの表情が垣間見れる。
「そ、ソルさんが居ないとっ、か、身体が疼いて収まんなくてっ、一度だけ…自分でなんとかしようとしても…なんか違って…、
ソルさんは何時まで経っても帰って来ないしっ、
今日思い切って一緒に連れてって下さいって言っても駄目だって断られるしっ、
今は今で、こ…こんな恥ずかしい事鏡の前でさせられてっ…もうっ…なんなのっ!?一体何なんですかあっ…!!!」
怒ってやがんのか、耳と頬が真っ赤のまま、その翠の目から零れるくる涙はとめどなく溢れ、
女の涙なんぞ面倒くせぇだけだと思っていたが、俺にとってコイツの泣き顔はどうやらそうじゃねぇらしい。
脊髄からゾクゾクと何らかの快感部質が流れ込み、後ろから奴の顔を引き寄せ、いつもより遥かに深く、キスをしまくった。
「んっ、んんーっ!!」
苦しいと訴えるエルフェルトの唇から、一旦自身の唇を離した、ただし舌だけは態と絡めたまま。
逃げようとする舌を追い掛ければ唇まで辿り着き、もう一度貪るように口付けを施す。
何かを観念したのか、相変わらずキスに弱い体質だからなのかは知らねぇが、力が抜け、全て俺の身体に身を預ける形になる。
その力の抜けきったエルフェルトの白い手を取り、その細っせえ中指の先を奴のトロトロの秘部の入口につぷん、
と少しだけ挿入させる。
奴の中指の太さなんぞ、俺の小指にすら追いつかねぇ。やすやすと細い中指が膣口に飲み込まれていく様は、
自身の指を入れる時よりか、その見慣れねぇ光景に、興奮を覚えてしまう。
全て入りきり、後は自分でうごかしてみろと言わんばかりに手を離すも、奴の表情は戸惑いを隠せないようだった。
「…どうした?」
「…あ、あのっ…ソルさんがいつも触っていた場所には、私の指…っ、やっぱり届かな…っ…。」
「入れた所悪いが一旦その指を抜け。お前でも届く性感帯教えてやる。」
寧ろその指を抜く際に、恐る恐る怖がりながら眉をひそめ、んっ、ん…っ、と嬌声を発しやがる表情と声がたまらねぇと感じ、
思わずエルフェルトの額に無意識に口付けを施しながら、俺は、もう一度、
自身の人差し指と中指とを奴の膣内へ挿入していく。
子宮口に行き着く手前の恥骨辺りの膣壁に、自身の人差し指と中指の腹を擦るように押し当てる。
その瞬間、俺の腕を思い切り掴み、ガクガクと身体を震わせ…
あっ、あんっ!と声高らかに感じまくるエルフェルトをイく寸前まで抜き差しをし、
登り詰める寸前で自身の指を完全に抜ききった。
「…っ、…んぁ、あっ、…そ、ソルさ…っ、のバカァ…っ!!!」
俺の意図に悪態をつき、涙目で睨むエルフェルトの表情に興奮は冷めやまず、
俺のモノがGパンの上からでも解るくらいにガチガチに主張してやがる。
「…場所は教えた。もうテメェで出来るだろうが…、…なにやってる?さっさとしやがれっ…!」
「……っ、わ、私がいく事とか、そうゆう以前にっ、私がっ…恥ずかしがってっ…嫌がってる姿にっ、
ソルさんは興奮してる様に見えますっ!!そ、それって、立派な……へっ、変態じゃないですかっ!!」
「…それがどうした?…テメェの態度や声や反応が俺をそうさせたっつう事を覚えておくんだな。
エルフェルト、言いたい事はそれだけか?それとも、この鏡の前でガンガン後ろから激しく犯される方がテメェの好みか…?
俺はどっちでもいいんだが、今テメェがさっさと自分でヤれば、
その後はベッドの上でテメェ好みの甘めのメインディッシュにしてやろうと思ってたんだがな…?」
「そ、ソルさんの言う“ガンガン”って…シャレにならないレベルなんですってばぁああ!!!
…そ、そんなの、選択肢は一つしか無いじゃないですかぁっ…。」
「御託はいい、自身でやるならさっさとしろ。」
エルフェルトが意を決して自身の中指の先端をそろそろと己の膣口につぷ…と這わせるように入れていく、
瞼をギュッと瞑り、眉を潜め、頬を真っ赤に染め、少しづつ躊躇いながら入れていく様が自身の眼下と鏡の中に映し出される。
中指が全て入りきり、今度は俺が先程教えた場所を探して指を動かし、奥でクチュクチュと愛液が掻き出される音をさせ、
その度に押し殺した声を発し微かに震えるエルフェルトの身体を支えながら、
戸惑って止まる手の動きに言葉で発破をかけたりしていれば、その内自身でも夢中になり
俺の言葉なんぞもはや聞こえていないのか、ぐちゅぐちゅと秘部を自身の指先で鳴らしながら首を仰け反らせ、
相変わらず変な嬌声を上げながらイキまくる様に、俺は耐えられなくなり、エルフェルトの身体を持ち上げ、
ベッドに運び放り投げた後、すぐ様それに覆いかぶさる。
両脚の膝裏を掴み思いっきり開脚させれば、もはや洪水かの如く愛液で溢れかえったエルフェルトの恥部は、
イキまくった後だからか、ひくひくと痙攣させ、俺のモンを早くぶっ刺せと言わんばかりだ。
一端両手を脚から離し、自身の身に着けていたベルトの金具を外し、
膨れ上がった欲望で盛り上がっているGパンのファスナーを下げ、インナーと同時に下にずらせば、
直ぐ様、ガッチガチに勃起したブツがボロンと勢い良く飛び出てきやがる。
先端の尿道から、ヌラヌラとした先走り液が見て取れた。
先程買った避妊具の箱を力が任せに開け、中からテープ状になってる避妊具の束を取り出す。
切り目を裂き、一つだけ取り出したその袋を、歯で噛み千切り、中身を指で掴む。
先端に来るだろう部分のキュッと絞り空気を抜き、丸まったゴムを自身の形にそって伸ばしていく。
っ、クソ…案外余裕ねぇな…っ、
散々探しに探し最近見つけた、どのメーカーより薄いと評価の高い避妊具を
(このメーカーは元ジャパニーズ製の技術を引き継いだって専らの噂だ)
ピッタリと自身のブツにフィットさせ、エルフェルトの両脚を持ち上げ、
濡れまくったエロ穴に己のブツの先端をぷちゅ…と這わせ、焦らすようにクチュクチュと上下に動かしていく。
ビクビクと身体を戦慄かせ、シーツをぎゅう…と握り締め首を仰け反らせる奴の腰を掴み、
勢い良く最奥へパチュッ!と音を立てて突っ込めば、
それだけでガクガクと身体を震わせ、「っ…ふぁああぁああ!」と声を荒げイキまくるエルフェルトの姿。
「…っ、おい…エルフェルトっ、…幾らなんでも堪え性が無さ過ぎるだろうがっ…、」
「ら、らってっ!!…ゆ、ゆびでとどかなかったおくがっ!おくがっきもちい…んれすうっ!!
…ソルさ…っ!ソルさんっ!!!もっと、もっとっ、おくっ、おくぅ…突いてっ、ついてくださ…ッ!!…、
…お…ねがいしますぅ…っ!!」
「…っ、上等だっ!…エルフェルト!!
…そんなに奥が欲しいなら、腰砕けになるまでたっぷりとくれてやる…!」
◇◇◇◇◇
「……っぐっ、ッオラァァァアッ!!!……エルフェルトォオオッ!!!…もう一発放つぞッ!!!……覚悟しやがれッ………!!!」
そう思い切り叫び、エルフェルトの腰を鷲掴み、自身の腰を激しく揺さぶりまくる。
パン…パン!と、乾いた互いの肌を叩く音…。
腰を捕まれされるがままのエルフェルトが、俺がイク間際、ぎゅうっと足の指を握り締め同時に達し、
既にビクビクしてやがる身体がより一層激しくビクンッ!!と大きくしなる。
「……んんッんんっ!!!……ーーーッ…ヤッ!?…な、なんかでちゃ………っ!?」
もはや声にならねぇ声で涙こぼしまくりガクガクとイキまくるコイツの中は、
膣内だけで無く尿道からも分泌液を勢いよく放ち、ベッドのシーツに染みを作りまくっていた。
「……ッ……ら…めぇ………も……らめ…れすよ……からだもたな……ッ……。ん、ん…っーー!?!?」
「…もっと奥まで突けっつたんはテメェからだろうが…ッ……、……現に、テメェが吹きまくった“潮”でぬるっぬるにさせて尚、
まだオレのモンをぎゅうぎゅう締め付けて離さねぇのはどのエロ穴だ…?
…ッ…………クソ…っ……、…吐き出すの終わんねぇじゃねぇか…ッ…」
額から汗が流れ、自身の腰が射精の快感でビクビクしなる。
「やりすぎなんれす…っ、やりすぎなんれすよおおぉおっ!!!」
その呂律の回ってねぇくせに言い返してきやがる生意気な口を自身の口で塞ぎながら、
下の口に容赦なく、射精を促す為に小刻みに上下に動かせば、より鼻にかかる舌っ足らずな声で喘ぎまくりやがる。
その際、エルフェルトの腰を引き寄せ、片足を上げ、自身の肩に足を乗け、
その足首やふくらはぎを舐める、吸い、跡をつける。
や、やめてくらさ…!!そんなところ…!汚いからあ!!!と泣き叫ぶ声でより興奮が高まった。
股を開き、より自身の一物をエルフェルトの膣奥に突き入れ、到達する感覚に生唾を飲み込んだ。
奥にコリッとしたモンを感じ、そこを重点的に責めれば、首が仰け反り、首を振り、喉から絞り出したような唸り声を上げ、
思い切りガクガク達しまくるエルフェルトの姿。
「……何度先にイケば気が済むんだ!?…ペースが早過ぎだろうがっ……!!……頭が馬鹿みてぇに麻痺してきやがる………!!」
全て出し切り、もはや語彙力なんぞ何処かに吹っ飛びやがった俺は、先程使い古したゴムをさっさと外し、
新品を身に着けた後、奴の中に自身を埋め込んだ。
抵抗もなく、すんなり埋め込んだ中は、またもや挿入だけで軽くイキやがったのか、
自身で自分の指を加え身体を震えさせ、涎を垂らしながら、こちらをトロ顔で見つめてきやがる。
……ゾクっとさせやがって…ッ…
俺は容赦なく、エルフェルトを引き寄せ、口を塞ぎながら、挿入した自身を奥に何度も突き入れていく…。
この作業はエルフェルトが気絶するまで行われた…。
◇◇◇◇◇
………、あ…、此処って………。
身体が気怠くて、目が冷めても、なかなかベッドから起き上がれなくて、微睡んだまま、天上を見上げた。
カーテンの隙間から、漏れてる木漏れ日が、容易に朝など過ぎて、お昼近い時刻になっている事を示していた。
木漏れ日に微かに判る、自身の身体の跡に、ひたすら頬が熱くなった。
お、お風呂っ!お風呂入りたい…、
でも、このままじゃ、自室になんか絶対帰れないし、ソルさんはいつの間にかお部屋から居なくなってるし…。
昨日もそうだったし、か、勝手にシャワーつかわせて貰っても…いいかな?
痛む関節に戸惑いながら、私はベッドから立ち上がり、床に転がった、ソルさんのサイズのバスローブを拾い、
シャワー室に駆け込んで行く。
アメニティフロアの鏡に自身の姿が映し出される。
「あああ!やっぱりぃいいい!!!!」
いつも見慣れた光景なのに、違和感で恥ずかしさが勝るのは…
身体の至る所あちこちに、つけられていた赤くなっている痣の跡や噛まれた跡…。
ま、前だけでこれならっ!?背中とかっ!うなじとかっ!!?、い、一体どうなってるのっ!?
ま、前もそうだったけど…、途中からもはや何をされていたのかなんてよくわからなくなっていて、
ひたすら気持ち良いようしか認識できなくなっていたから、……、確かめたいけど…確かめようが無くて困ってしまう。
ソルさんてば、手鏡なんて持っていなさそうだし…。
で、でもっ!…最近ディズィーさんに用意してもらう服は、どれも肌の露出少ないから、
だ、大丈夫かなー???とふと思い出してほっとした後、シャワールームに入り、蛇口をひねった。
◇◇◇◇◇
エルフェルトが気を失った後、自身も軽く仮眠程度の睡眠を取り、
目を覚ます為に手っ取り早く熱い湯を浴びた後、着替え、部屋を出る。
エルフェルト、コイツはまだ起きる気配など無無い。…昨晩はやたらしつこく攻め立てちまった。
途中でイキ過ぎて記憶ぶっ飛んでやがるだろ。
昨晩のコイツの醜態をふと思い出すも、すぐ様他の思考に切り替える。…またもや変に興奮しちまったら面倒臭ぇからな。
…だが、これで暫く「オカズ」にゃ困んねぇだろ…。
賞金稼ぎっちゅうもんは、仕事で各国を飛び回り賞金首を追い回し、害悪なギアなら殲滅、大量殺人犯なども殲滅し、
それ以外の犯罪者はとっ捕まえるか殺すかその場で判断しなけりゃならねぇ。
殺しは殺しで変に興奮し、相手がギアではなく人間ならば自身の中で不完全燃焼が起こるからか、
暫く欲求不満に苛まれる事になっちまう。
これが一番面倒臭ぇ…。
この興奮を収める手段で一番手っ取り早いのが性行為だからか、
俺は専ら、最近はさっさと己で済ましちまう事が多くなっていた。
実際問題、エルフェルトが俺に付いてくるっつう申し出は、揺さぶられねぇわけじゃねぇ…。
だが、ゴムなんぞ、何処で手に入れれるかわからん代物だからな。
ゴムが無い状態で、もしこの欲求不満に陥り目の前にエルフェルトが居たら、間違いなく俺は押し倒すだろ。
それだけ俺のギア細胞の興奮作用はコントロールがクソ面倒臭ぇ。
だがもしエルフェルトの卵子が俺の精子と受精しちまえば、
唯一のプロトタイプのギア細胞とジャスティスから遺伝子配列汲み取ったヴァレンタインの細胞との融合かよ…。
研究的には生唾モンだが、人類的にゃ史上最悪の歴史的怪事件だろうが。
洒落にならねぇ。
ま…だが、いくら避妊してようが避妊なんぞ完全では無いんだがな。
やはり、脳内で一度思考してみるも、余りに式を組み立てるのがクソ面倒臭く一度諦めた“あの計画”の再検討が必要か。
そんな事を思いながら自室の扉に手をかけ、ノブを回し開けば、居る筈だと思っていた奴の姿が見えない。
耳をすませば、水が地面に降り注ぐ音みたいのが微かに聞こえた。
起きてやがったか。
昨晩飲みかけたワインの残りをグラスに注ぎ、飲みながら、ソファーに腰掛ける。シャワーが止まる音と、布が擦れる音。
アメニティスペースにかけられたカーテンを潜り、乾いたタオルで頭を拭いながら、
こちらに歩いてくるエルフェルトと視線が合う。
俺に気付き、足が止まり、みるみる顔が赤くなっていきやがった。
慌てて後退り、アメニティスペースのカーテンの後ろに身を潜め、
い、いいいつの間にいらっしゃったんですかああああ!!!などと叫ぶエルフェルトの姿に、思わず吹き出してしまう。
「…寝言は寝て言え。此処は俺の部屋だ。居て何がおかしい。」
「だ、だだだってですね!?…暫く帰って来ないのかなー?って思っててですね!?
…急にいらっしゃったら、びびびっくりするじゃないですかーーっ!!!」
「…エルフェルト、お前が昨日俺に訴えた事案、テメェから言い出しといて、忘れたのか?」
「……えっ!?」
「…それともアレか?散々激しくアクメキメまくって満足したテメェは、暫く俺なんぞ用済みってやつか?」
とんだ淫乱だぜ。と溜息をつきながら含み笑いを浮かべれば、
そ、そそそそんなわけっ!?と口ずさみながら涙目を浮かべて頬を朱に染めて睨んできやがる。
「ソルさんのその言い草っ…それはっ!
わ、私を今後、ソルさんの旅に連れてってくれるって事で良いんですねっ!?
もう取り消しは受け付けませんよっ!殿方が乙女を誘う発言は責任重大なんですっ!」
思いきり指をこちらに刺し、啖呵を斬る目の前の生意気な小娘に、俺は思わず笑みを浮かべてしまう。
「エルフェルト、テメェから俺に連れてけと懇願しといて責任転換たぁ、相変わらず良い度胸してるじゃねぇか。
イイぜ?…その喧嘩、買ってやる。」
「え!?喧嘩って…!」
焦った表情を浮かべてこちらに近付いてくる奴の頭に自身の掌を置き、ぐしゃぐしゃと撫で擦った。
「だが、まだ駄目だ。お前を外に連れ出すにゃ、それ相当な準備が必要になりやがる。
しかもその準備が整う目立てはまだ無い。それでもいいのか?」
「そんなの!乙女の恋心にかけて、良いに決まってるじゃないですか!!」
「信用ならねぇな。俺の居ない内に他の野郎と飯行っちまう奴だからな、お前は。」
そう言い、エルフェルトの額を自身の人差し指でトンと軽く押せば、
「あ、あの、えっと……、ソルさんがそんなに嫉妬深かったなんて、私…意外でした。でもこれからは安心してくださいね!
あなたを不安にさせるような事は、このエルフェルト!もう絶対にしないと約束します!
だから、…ね?、拗ねたら…ダメですよ?」
上目遣いで俺の頬に両手で触れ、俺の視線に合わせるように爪先を立たせ身体を伸ばし、
ちゅ、と触れるだけのキスをしてきやがった。
一瞬、あろうことか、俺はその仕草に魅力され、身体が固まってしまう。
その一瞬の隙に、いつの間にか部屋の扉のノブに手をかけ、振り向きざま、
「ソルさん!私…ずっと待ってますから!信じてます!」
と笑顔で語る奴の姿。
奴が扉を明け部屋を出ようとする最中、日差しに晒された髪に隠れたうなじから、
昨晩、己が散々奴を求めた痕が視界に入り、ザワっとした何かが自身の身体に駆け巡る…
「………っ、やってくれるじゃねぇ…か…っ。」
奴の姿が部屋に消えた後も、奴がこの部屋に存在したらしき証拠を視界にかすめ、俺はヘッドギアを押さえながら、
奴が飲み残した口紅の跡がついてやがるワイングラスをヤケクソに煽っていく。
これほど“女”って生き物に充てられたのは、俺の生きて来た長い人生、かなりひさしぶりの事だった。