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遺伝子は恋を導く方程式か否か。



「ジャジャジャーン!本日はぁ、かつて細胞学の権威でありましたアリア…もとい、ジャック・オーちゃんが、

みんなに簡単な遺伝子の事を教えちゃうね☆」

「い…遺伝子ですかっ?」

「そう!いわば遺伝子が、私達が誰と恋に落ちて誰の子供を生みたくなるかっていう感覚的な部分を司ってるの!
だから、エルみたいに恋に恋しちゃってる子は遺伝子を学んで、恋を理論で理解しちゃおう!

先ずは…これは誰もが聞いた事あるかもしれないけど…匂いね。つまり、人が放つ体臭。
女の子には割りと身の覚えあると思うんだけど…、あ!この人いい匂い!とか、

あ、この人の匂い生理的にダメっ!って、すれ違った瞬間で、判断出来ちゃうコレも、全て遺伝子の仕業なのよ。」

「オレには、大体の女の子の匂いって、いい匂いに感じるぜ?」

「自分の持っている遺伝子の配列より、よりかけ離れた人の遺伝子を持っている人の体臭は、

いい匂いに感じるの。
シンが言ったのは、女性は男性より匂いに敏感だから、自分が今どんな匂いでいるのかが気になる訳。

だから匂いのエチケットに凄く敏感なの。
毎朝朝シャンしたり、いい香りの化粧品や香水にこだわっちゃうのもそのせいね。
…でも出来ればだけど、なるべく香水とかは活用しないほうが、
自分にとって本当に相性の良い相手が見つかる率が高くなるんだけどね。」

「香水ダメなんですかっ!?」

「適度に香るかなぁくらいで十分よ。自分の匂いは消さない。コレ鉄則かも。」

「…おい、ジャック・オー!、この講義にゃ、俺やカイは必要ねぇんじゃねえのか!?、んなもん、初歩的の初歩じゃねぇか。」

「確かに、この程度の知識なら、あなた達は全く必要ないんだけど、ちょっとその内手伝って欲しい事があるから、

まだ此処に居て欲しいんだけどなぁ…?」

「ああ!?」

「私は居れる限り居るぞ、ソル、こうして子供達の成長を見守れるのも、貴重な時間だからな。」

「ふん…、テメェはあらかた、木陰の君辺りに出てくれと言われたに違いねぇがな。」

「たっ…確かにっ!ディズィーにも是非参加して欲しいとも言われたが…っ、

が、案外早急にこの子達には色々教えて置いたほうが今後の為だと思ってるさ。」

「ああ!?今後の為だぁ?」

「あーもう!!そこうるさいなぁ!…コホン!うんとね!、何でこんなに人の相性が匂いに反映されちゃうのかっていうと、
より良い遺伝子を未来に残す為なの。良い匂いの人=好きになる確率が高くて、お互いに好きになったら、

恋愛してそのうち結婚して、子供が授かる。
その子供が、両親の遺伝子配列を半分づつ継承して、一人の生命となる。
匂いで人の好き嫌いを感覚的に判断するように出来てるのは、より自分の遺伝子配列と重ならないようにする為って事なの。」

「じゃあさ?カイは、母さんの匂いは良い匂いだったって事かよ?」

「…っ、!?(そ、そうか、ジャック・オーさんはこの為に私とソルに此処に居てほしかったのか…。)
…そうですね、お前の母さんと出会った時は、それどころでは無かったが、今思えば、その時から惹かれてはいたんだろう。」

「へぇ、それって一目惚れってヤツじゃん!」

「…ま、まさかっ、一目惚れだったんですかっ!?これこそっ、これこそがっ!!!」

「はははっ、ほんとエルは、カイと母さんの話好きだよな。」

「シンっ!何言ってるの!!乙女だったらっ!憧れる…!最高のっ!!!うわぁあァあああ!!!」

「エル大丈夫??落ち着いて?…ってありゃ、興奮し過ぎて倒れちゃったか…。

って事で、エルはちょっと休んで貰うことになりました。カイ君、実は今から一目惚れの原理を説明しようとしてたから、

フォローありがとう!でも、一番教えたかった肝心のエルフェルトが居ないのよね。私達もちょっと休憩にしましょうか。」

 


◇◇◇◇◇

 


「ごめんなさい…ご迷惑おかけしました…。」

「身体がなんともないならそれで良いのよ、気にしないで!
そしたら、さっきカイ君が言っていた、一目惚れの原理について言及していくわね。」

「ひっ、一目惚れにも原理があるんですかっ!?」

「匂いまで確立されてる訳では無いんだけど、なぜか一目惚れ相手の匂いの相性が良いのは、過去のデータで検証されていたりするのよ。
多分、ディズィーも似たような事を言っていたし、確立されて無くても、ほぼ間違いないと私は踏んでいるんだけどね。」

「なあ?良い匂いじゃないと、結婚できないのか?」

「そんな事は無いと思うわ。でも結婚したら四六時中一緒にいるって事だから、良い匂いに越した事はないわね。
ちなみに、匂いの相性悪い夫婦の離婚率は凄いわよー?データに出してみる?」

「…いや、なんかそれ怖ぇし…そこまではいいよ。」

「よし!それではっ、匂いがどれだけ重要か、三人ともわかりましたか?」

「ああ、わかった!」

「はっ、はいっ!!わかりましたっ!」

「ねえ…これ、いつまで続くの…?」

「…ごめんねラム!確かにあなたにはあんまり興味無い事かもって懸念はあったんだけど、

あなたにも講義受けてほしいって、ディズィーから頼まれてるのよ。」

「ディズィーが私に…?そう…なら、此処にまだ居る…。」

「ありがとう!」







「あの…すみません、質問いいですか?相性が分かるのって、匂いだけなんですか?」

「いいえ、他にもあるわよ?気になる相手とただキスするだけいいの。簡単よね。気持ち良いか悪いかで相性はすぐわかっちゃう。」

「…ぇええええええええ!?きっ、キスって…あの…っ!?」

「あ、勿論フレンチだとダメね。ディープじゃないと…って…えっとぉ…?…フレデリック一体何のご用かなあ??? 」

「ソルっ!まあ待て!…彼女に講義してくれと頼んだのは私とディズィーなんだ!とりあえず、この場は抑えてくれ!
…直に理由は判るっ…。今は頼むっ、おとなしくしててくれっ!!」


「なあ?それで、キスしたら、一体何が判るんだ?」

「それはね?直接的な遺伝子情報の交換ね。匂いより、よりダイレクトに伝わるの。

あと、その相手が病気なのかとかも自然にわかっちゃう。」

「へぇ…何で相性良い相手だと気持ちいいんだろうな?」

「それは、またその相手とキスしたいって思わせる為じゃないかしら。あと、逆に嫌な相手とは近寄らないようにする為でもあるかな?」

「へぇ…。」

「…、おい、ジャック・オー!…テメェ、肝心な事忘れてるだろうがっ!?」

「え?オヤジ?」

「遺伝子には相性がある、よりかけ離れた同士が惹かれ合う、そいつまではいい。

何故、相性が良いのか、その理由を説明してないだろうが。」

「うーん、そこまでこの子達に説明が必要なのかちょっと迷っていたのよ。
うんとね。自分の遺伝子は、自分のお父さんとお母さんから半分づつ受け継がれ、その親達も、両親から半分づつ受け継がれているの。
遺伝子の伝達は、その繰り返し。
シン、君の場合は、カイ君の分が半分、ディズィーの分が半分。

カイ君の両親については私にはちょっとわかり得ないから説明は省くんだけど、
ディズィーは、私…アリアの遺伝子が半分、フレデリックの遺伝子が半分受け継がれてるって事だから、
君の遺伝子は、判るだけでも、私達四人の遺伝子情報が刻まれてるって訳。
そこに、ギアの遺伝子の情報も混ざってるから、一概にそれが全てとは言えないんだけどね。」

「あ、なんか、スゲぇ繋がってるって感じがするぜ…!
なあ?そしたらさ、ラムや、エルの遺伝子ってどうなってんだ?ラムもエルもさ、“アイツ”に直接創られたって言ってたじゃん!」

「ラムもエルも、遺伝子配列だけ見れば、母親は私になってる筈よ。
ラムは他の遺伝子も混ざってる感じがするけど、エルなんて、ほぼ見た目も私だもの。
初代ヴァレンタインより、エルの見た目が酷似してないのは、初代達は私が20歳頃の見た目をしていて、
エルは私が10代前半の時の頃の顔立ちに良く似ているのよ。」

「ああ、だから、エルは幼く見えるのか。」

「シン酷い!!お、幼くって…!!これでも、お母さんには成人してる設定で創って貰ったのにっ!」

「エルの見た目は、きっと、慈悲なき啓示が何らかの意図があってわざとその見た目で創ったんでしょうね。
その理由までは、ちょっとわからないんだけど。フレデリックなら、その理由知ってそうな気がするんだけどなあ~?」

「……さぁな。」

「なあオヤジはさ?ジャック・オーとは幼馴染とかだったのか?ラムとエルの母親のアイツは、
なんつーか、やり方が汚ぇっていうかさ。…なんか、オヤジに揺さぶりかけてぇ!!っていう感じだったじゃんか!」

「んーあれぇ?私とフレデリックが初めて出会ったのは、大学時代だと思ったんだけどなあ?もしかして…私の事、前から知ってた?」

「…おいシンっ!ジャック・オーっ!!!そっ、その話題はやめておけ…。ろ、ろくな事にならねぇぞ…!」

「(あ、ナルホド…)まあ、慈悲なき啓示は、そうゆう所うまく利用して、私達…というか、

フレデリックに揺さぶりかけてたって事になるのかしらね。」

「…ラム、エル、ごめん。…やっぱり、オレ、アイツは嫌いだぜ…、」

「…母さんのやり方は間違ってた。だからシンが気にする事じゃないよ。」

「シン…私も、お母さんのそうゆうところは苦手だったから、大丈夫だよ。

…私もね、お母さんがそうゆう意図で、私を創ったんだなあって思ったら、悲しくなるの…、

自分の大切な人達を困らせる為に私は産まれて来たのかなあって。」

「そんな事ねぇよ!エルだって、今は違うって言い切れるだろ?」

「エルの考えは、かつての私も考えていた。母さんにとって、私は只の道具なのは変わらない….

でも…今なら…此処に居る人達にとっては、私とエルは“違う”なんだと思う。だから…!」

「うん、そうだね!ラム、シン!…ありがとう!」



「あなた達三人はいわば私の親戚なのよね。そんなあなた達が、こんないい子達なんて、私もなんだかうれしくなっちゃうわね!

ね!フレデリック?」

「…なんで、俺に振りやがる…。」

「え?だって、シンは私達の孫じゃない!その友達のエルとラムだって、似たようなものじゃない?」

「あ、そっか!…ならさ、オレとエルとラムは血ぃ繋がってるって事なのか…。
…なあ、ジャック・オー。オレとラム、どれくらい血が近いんだ?」

「え?そうねぇ、ラムが私の娘並の血の濃さで、シン、あなたが私の血が四分の一の濃さって事は…、

まあ、そこそこ近いんじゃないかしら?…それがどうかしたの?」

「いや、そっか、なんつーか、よくラムが言ってる…“違う”ってヤツ?オレも、ラムに対してそう感じるんだ…。

初めてラムと会った時、なんかオレと似てるって感じてた。頑なに笑わねぇコイツをどうにか笑顔にしてえっ!そう思った。
でさ、最近のラムはぎこちねぇけど、笑うようになってさ…、その笑顔が、すっげぇ…可愛いな…って、思うんだ…。」

「シンっ!!!!」

「うおっ!?なんだエルっ!?」

「そ、それは、…それは、恋よっ!!恋の始まりよっ!!!!
“あぁ…何気ない君の笑顔が可愛くて目が離せない……いつも君の事ばかり考えてしまうんだ…っ!”
これって、まさしく恋の始まりっ!!!
むほーっ!!!シンっ!ラムっ!おめでとうっ!!!…わたしっ…わたしっ…!二人の事っずっと応援するっ!!!!
二人ははれて永遠に愛のっ、愛のっ……ヴァージンロードをぉおおおぉおっ…!!!」

「おいっ、エルっ!?」

「シン、…エルが暴走している…。今は真に受けない方がいいよ…。…あ、倒れた…。」

「…みてぇだな。

…なあ、ジャック・オー、そもそも恋ってどんな感じなんだ?
いや、ジャック・オーでも、オヤジでも、カイでもいい。オレが今ラムに感じてるこの想いって一体なんなのか教えてくれねぇか?」

「それは…私も知りたい…。私もシン、あなたに対して、誰よりも“違う”を感じてる。
エルが言ってる恋って言葉の意味が私にはよく理解出来ない。けど、もし、“違う”の中にも違いがあるのなら…知りたい。」

「…一概には、まだ恋って決めつけちゃうのは早いんじゃないかしら?
人には、いろんな愛の形があるの。そしてその形は、時が経つにつれて、形を変えていくもの。
あなた達には、まだまだ時間が有限にあるわ。焦る必要はないんじゃない?」

「そうなのか?…オレは産まれて今年で5年経ったけど、母さんは産まれてから3年で結婚してるって聞いて、

…なんか…腑に落ちねぇんだ。なんで…オレにはまだわかんねぇのかなって。」

「うーんとねぇ…(それは…ほぼカイ君のせいだと思うなー?)」

「シン、…そうゆう事は人それぞれのペースで良いんだ。ジャック・オーさんの言う通り、お前はまだ焦る必要は無いさ。
(…やめて下さいっ!自分でも理解してるので私をそんな目で見ないで下さいっ!!)」

「…なーんか、煙に巻かれてる気分だぜ…、…そいえば、気絶したエルはどうしたんだ?」

「…エル?エルは、ソルが医務室まで運んで行ったよ。」

「そっか、じゃ、後でオヤジにも聞いてみねぇとな。」

「そうね、それは私もちょっと興味あるかも。」

「…ジャック・オーさん、あなたっていう人は…。(アイツにこそ、この話題は、今は聞いてはいけないような気がするのだが…)」



◇◇◇◇◇


 


「あぁ!?恋だぁ!?」

「オヤジにだって経験あんだろ?…なあ?オレが今ラムに抱いてるこの想いは、エルは恋だって言ったんだ。

でもオレにはよくわからなくってさ。」

「ちっ、…エルフェルトの奴、余計な事を言いやがって…。」

「エルが、どうかしたのか?」

「…ったく、面倒くせぇな…。いいか、シン、テメェの無ぇ頭で理解できるかわからんがな、
耳かっぽじってよく聞きやがれ。家族の情か、恋か、二つを区別する定義は確かにある。」

「ソイツはなんなんだよ?」

「相手の全てを“欲しい”と思うかどうかだ。独占欲、ソイツの視界に入るモン全て、己で満たしたい。

他の奴を視界に入れるなんぞもっての他だ。
笑顔、言葉、想い、身体、何もかも、己じゃねぇ他の奴に向けられる事すら許せねぇ。そんな世界なんだよ。」

「ソルっ!それは…まだシンには早いだろうっ!?」

「カイ、テメェは黙ってろ。お前に身に覚えが無ぇとは言わせねぇ。
生物には欲がある。特にシン、お前はギアだ。目覚めれば人間なんかじゃ比べもんにならねぇ程の生理的欲求に苛まれる事になる。
お前にとっての“恋”は、エルフェルトが言うような夢見事だけじゃ語れねぇんだよ。」

「…オヤジ、サンキュ…。やっぱオヤジは凄えや。オレの中でモヤっとしてたもんが、スッと消えちまった。
オレやっぱり、ラムの事、特別ってヤツみてぇだ。
ラムが最近よく笑うんだよな。初めはオレだけだったのに、オヤジやカイやレオのおっさんや他のみんなに。
ラムがエルに笑いかけたり、ジャック・オーに笑いかけたり、母さんに笑いかけたりするのはなんともねぇんだ。それが不思議でさ。
これがいわゆる嫉妬ってヤツなんだろ?
だからさ、オレ、ラムと血が近いって知って、凄えショックだったんだ。
なんでだよ…、ラムの匂い、オレ…別に嫌いなんかじゃねぇ、寧ろ好きだ!って。」

「シン…私、私は…。」


「ラム照れちゃってるのかしら?…凄い告白タイムよね。これが若さってヤツなのかしら?」

「こ、このままほっといて良いのだろうか!?」

「シンもラムレザルもまだ“目覚めてねぇ”テメェの所みたく片方が無理矢理目覚めさせる様な事しなけりゃ、
今ん所互いに何も判らねぇ只のママゴトで済むだろうが。」

「わっ…私の事は今は良いだろうっ!?…お前こそ、“今は”私の事をどうこう言える立場では全く無いのではないか?」

「ちっ、…テメェ…。」

「ハイハイ、私から見たら“どっちもどっち”だから、喧嘩するならお外でやってねー!」




「…シン、ソルが言っていた定義からすれば…私も…シンに“恋”をしているんだと思う…。
シンが、エルと楽しそうに会話してると、とても苦しくなる…。シンも、エルも…何も悪くないのに…。これが“嫉妬”なの…?」

「ラムも、オレと同じだったんだなっ…!!…凄えっ嬉しい…っうか………。
オレ…今、ラムの事、めっちゃ触れてぇ…!
なあ、ジャック・オー!キスしたら、相性ってヤツ、すぐわかるんだろ!?オレ、ラムとしてみてぇ!!!」

「ジャック・オー、私もっ…!シンと、キス…してみたい…っ。」

「ええええっ!?(こっ、これはっ、面白い展開になってきましたっ!!!って、楽しんでる場合じゃないわね…。)」

「シ、シン!!…ダメだ、お前には…まだ早過ぎるっ!!」

「ったく、カイはいっつもそうだよな!!そーゆーの、子供の成長妨げてんだぜ!?」

「させてみればいいじゃねぇか。…それだけで済めばの話だがな。」

「ソルっ!?お前って奴はっ!?余計に煽ってどうするんだっ!!!」

「目覚めてねえ内に、互いにコントロール出来るようになった方が実用的じゃねぇか。」

「そうね、何事も経験よね…。(でも、ディズィーがこの事知ったら、凄い怒る気がするなぁ…?、それもまた面白そうだけど。)
とか言ってる合間に事が進んじゃってるけど…ホントにどーするの?今すぐ止める?」


「ラム…!」

「シン…っ!」


ヴァザっ!!

トスっ、トスっ、ドサッ…


「あ、ディズィー…。ありゃー、物理で二人共沈めたかぁ…流石ってところね…。
まあでも、とりあえず、なんとかなったみたい…。… ハァイ♪ ディズィー。」

「お母さん…。私は確かにシンとラムレザルさんの二人に、恋や、子孫がどう繁栄していくかとかを教えて欲しいって言いましたが…。
こんな展開になってるとは、思いも寄りませんでした…。」

「ご、ゴメンネー!案外二人共飲み込み早すぎて、展開が早くなってたのよ。」

「確かにそうみたいですね…。私もそれは想定外でした…。
でも…シンは、本当カイさんにそっくりですね…。なんだか私、懐かしくなっちゃいました。」

「え?どうゆうこと?」

「台詞回しはだいぶ違いますけど、私も、カイさんに同じような事言われたなあって…思い出したんです。
“君とキス出来ない運命など、私は断じて認めないっ!”って…。
…あっ!!ご、ごめんなさい!い、今のはっ、は…恥ずかしいので忘れて下さい!!」

「…ごめんディズィー…今のは、なんか色々衝撃的過ぎて、とてもじゃないけど忘れられないよ…。
あ、今のでカイ君は羞恥でうずくまってるっぽいし、フレデリックはフレデリックで笑い過ぎてうずくまってるし…。
そういえば、気絶させたシンとラムの様子はどう?」

「…はい、二人共寝息に変わったので、後でお部屋に運んで寝かしつけましょうか。」



◇◇◇◇◇


 


「ありゃあ、なんの意図があってやったんだ。…結局、事をかき回しただけに過ぎねぇじゃねぇか。」

「それは…あの二人をこのままほっておいたら、取り返しの付かない事になりそうと私が思ったんです。
そう、例えば、いつの間にかラムレザルさんが、シンとの子供を妊娠してしまったりとか…。」

「流石にそこまでは私もないよー!って思ってたんだけど、今回で、ディズィーの懸念は当たってたのかなぁって思ったわね…。」

「自分で言うのもなんですが、これ以上ギアが増えたら、収集がつかなくなりそうで…、

確かにカイさんのおかげで昔よりは、ギアの居場所はだいぶ良いものにはなりましたけど…。
互いが惹かれ合うは仕方がないんです。だからこそ、きちんと学ばせないとって。

ですから、シンとラムレザルさんの為に、ソルさんとお母さんにはまた助けて貰いたいです。
避妊の仕方とか…赤ちゃんがどうやって出来るのか…とか。」

「あちゃあ!?フレデリック、吹き出したお酒もったいないなぁ。もう…。
…でも…避妊かぁ…。それをフレデリックに聞くのはちょっと違うかなぁ?だって…ディズィーあなたが産まれたのは…、」

「ジャック・オーっ!!!!…いいかっ!それ以上はっ語るんじゃねぇっ…!!…それ以上はいいから黙りやがれっ…!!!」

「えー?いずれ、この二人にはバレちゃうわよ。既婚者で子供がいるもの。
ほら、カイ君なんか、多分脳内でさっさと計算して、答えを理解した表情をしているし。」

「カイ…テメェ…。」

「わ、私は悪くないぞっ!前にお前から聞いた過去や、ディズィーの誕生日…その他諸々の情報をふと思い出せば…
自然と…その、なんだ?…解ってしまう事だってあるだろう!」

「本当は、エルにも教えたかったんだけど、あの子の妄想癖と恋愛好きが邪魔して、きちんと教えてあげられないのが悩ましいところねー。
フレデリック、そこんところきちんと教えてる?自分の都合の良い解釈をエルに教えてたりなんてしてない?」

「…するかよっ!…………ってテメェ…っ、ジャック・オー!!」

「ここには、もう…あなた達の“秘密”を知ってる人間しか居ないわよ?…ほら、とりあえずお酒でも飲んで落ち着いて?
カイくんご提供のお高ーいウイスキーだぞ~?
でも、講義してる時のエルフェルトの表情は、ホント面白かったわねー。
匂いの事についてとか、キスの相性についてとか…。凄い真っ赤な表情してたもの…。
んんん~?一体ナニを思い出してたのかなぁ~???」

「…テメェっ!!いい加減にしやがれ!?」

「フレデリック~!ウイスキー美味しいねぇ~!」

「誤魔化すんじゃねぇっ!!」





◇◇◇◇◇


 


「…二人共、すっかり出来上がってしまっているな…。ディズィーすまないが、

メイド長に、二人の各部屋を整えとくように伝えといてくれ。」

「はい、わかりました。」

「ジャック・オーさんはともかく、ソル、コイツをどうやって部屋に運ぶかだが…。」

「カイさん、私ができますよ?」

「いや、君にそんな力仕事をさせる訳には…っ!」

「私では無くて、ネクロがやれるって言ってます。…ダメですか?」

「いや、ダメではないが…(それは…それで心配だが…)まあ、とりあえず、二人を起こしてはみよう。」







「おい、ソル、起きろ。」

「っ、…なんだ…?」

「もう、いい時刻だ、そろそろお開きにしようかとディズィーと話した所だ、動けるか?肩なら貸すが…。
この分だと、ソル、お前はなんとか自室に帰れそうだな。
ディズィー、ジャック・オーさんを頼んでも…」

「待て、ソイツはオレが運んどいてやる。テメェらはさっさと寝ろ。カイ、テメェは明日も早ぇんだろうが…。」

「確かに明日も早いが、本日は、何時もの時間よりかはまだ休めてる範囲だ、気にするな。」

「てめえは社畜の鏡かなんかかよ。ったく、」

「私の仕事は会社努めでは無いから、その言い方は間違ってるな、ソル。だが、まあそう言うなら、甘えさせてもらうかな。」

「…そいつを貸せ。…おいジャック・オー、帰るぞ、聞いてんのか?」

「ん、んん~、?…フレデリック…?もう…お開き…??」

「ったく、俺の肩にしがみつけ、テメェの部屋まで送ってやる。」

「やだぁ!お高いお酒もっと飲みたい~!!」

「諦めろっ!…その酒瓶いい加減離しやがれっ!!」

「いや…ソル、そのまま持たせてあげてくれ、彼女を寝かしつけたら、後からお前がその酒を全て飲んでしまって構わないから。」

「ったく、…、俺ぁ行くぞ。」

「…ああ、おやすみ、ソル。」







◇◇◇◇◇







「そ、ソルさんっ!」

「…なんだ、エルフェルト、テメェかよ。まだ寝てなかったのか。」

「…い、いえっ!さっきまでそれこそ気絶してて今さっき目覚めて、慌てて此方に戻ってきたんですが…。
もうこんな時間ですもんね…。講義なんてとっくに終わってますよねぇ…。あれ?…皆さんお酒飲んでたんですか?」

「見ての通りだぜ、今から、俺は、へべれけのジャック・オーを部屋に運んだあと、手に入れたコイツを自室で飲み直そうって寸法だ。」

「 まだ飲むんですかっ!? 見た所、ソルさんも結構出来上がってるように見えますけど…。」

「折角いい酒が手に入って、タイミングよく“酒のつまみ”も現れやがった。“そうゆう訳”だ、テメェもついて来い。飲み直すぞ。」

「え?え…?」

「あー!フレデリックいけないんだぁ~!!そっかぁ!今までそうやってエルを誑かしてたんだねぇ~!」

「っ、!?オイっ、急に何を言いやがるっ!」

「あ!ジャック・オーさん、起きたんですね?具合大丈夫ですか?」

「うん大丈夫…!ちょっと頭が痛いだけ…。」

「お、お水貰って来ますか?」

「私のお部屋に水差しあるから大丈夫…。ありがとう、エル。エルは優しいね…。ちょっとだけ、ごめんね…。」

「ジャック・オーさん、ううん、それは、…私が言いたい事だから…気にしないで下さい。」

「…なんの話だ。」

「フレデリックには教えられない私とエルの秘密の話~!」

「…テメェら…。」

「あ…ジャック・オーさんに聞きにくいからって、私をじっと見ないで下さいッ、わ、私はっ、な…なんにも知りませんからっ!!!
ソルさんっ!さあ早く、ジャック・オーさんのお部屋に行きますよっ!!」

「ったく…。」

「あー、フレデリック、今絶対、後で力尽くで聞き出してやるとか思ってる?絶対思ってるやつだコレぇ~!」

「テメェはいい加減黙りやがれっ!」

「ねえフレデリック…、エルを大切にしてね?私からのお願い。

いーい?前にも言ったけど…避妊は絶対するのよ?辛い思いするのはエルなんだから!
前みたく嫉妬と独占欲に駆られて中出ししちゃった!とか、人間の男女ならまだしも(いや良くないけど)

ギアであるあなた達がそれしちゃったら、
それでもしエルにあなたとの子供授かっちゃったら、世界レベルでの大騒ぎになっちゃうんだから!!
前の時は、アフターピルが効く事解って良かったけど、ギア細胞は薬の抗体適応が早いの。

次アフターピルがエルに効くかどうかなんて誰にもわからないのよ…。」

「…、もうしねぇよ、あんな事は。」

「あなたがそんなしおらしく言うなんて、よっぽど懲りたのね。わかったわ…信じるしかないわね…。」


「二人とも、何やってるんですか?早くいきましょうよ?」

「ほら、あなたの可愛い彼女が呼んでるわよ?」

「その言い方はやめろっ…。」


 

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