DORAGON
DOES
HISUTMOST
TO HUNT
RABBITS
D
oragon
rabbits
&
R
紅と黒の残された遺物 【二章】
R-18
…ふと、真っ白いシーツとお布団に包まれたベットにて私は目を冷ました。
ふかふかとまではいかないまでも、そこそこの硬さのベットで、サイズはやたら大きくて。
えっと…昨日は確か………
あ!!!!
ひたすらに泣きじゃくって、ソルさんの腕の中に包まれて…
なんだかそれで安心して…私………。
一気に色んな事を思い出して今更ながら顔を真っ赤になり、一人でそこそこ豪華なお部屋で羞恥心に耐えていたら、
部屋の扉が開き、思わず後退り変な奇声を上げてしまっていた。
「…やっと起きやがったか。“エルフェルト”」
「はいっ!?」
思わず名前で呼ばれて、心が跳ね上がる。
「飯の時刻に何度か起こしに来たんだがな、もうとっくに食堂の空き時間なんぞ過ぎてる。
適度に調理場行って食いモン見繕って来たから、ソイツをさっさと片付けちまえ。」
そう言って早く起きろとばかりにベットから私の身体を抱き上げ、食事するであろうテーブルの前の席に座らせる。
食事が乗せてあるプレートと、いくつかのバケットが入った籠がテーブルの上に乗せられた。
「あ、ありがとうございます…」
昨日の出来事といい、今の抱き上げといい、恥ずかし過ぎて頬がひたすらに熱くて視線を合わせられない…。
カトラリーを渡される時にふと視線が合い、慌てて不自然に反らして、
目の前のシチューを黙々と片付けるように食べ進めていく。
「今はどこも食物が不足してやがるからな…多少素朴だか、まあ味は悪くは無いだろ…」
味!?味ですか!?ごめんなさいそんなの今は判らないですよ!?
そんな事も言えずに、ひたすら黙々と食べ進めていれば、
急に私の前髪を指先で払われ、その流れで額にソルさんの大きい掌が当てられて、
その暖かさに思わずドギマギしてしまう。
「えっ、あの…っ!?」
「やたらに顔が赤いな…。だがこりゃ熱じゃねぇ………。」
「…………………、そ、ソルさ…ん?」
私の額に当てていた掌が、ゆっくりと私の頬の方を撫で擦るように滑り、そのまま頬の所で止まる。
その最中視線が交わり、私は瞬きも忘れて、ひたすらにソルさんのお顔を見続けてしまっていた。
睫毛長い…睫毛長いですね!?!?彫りが深いし眉毛が…男の人の眉毛…!?
余りの近距離に軽く混乱しかかって目の前がぐるぐるしつつある私のお顔をまじまじと見つめていたかと思えば、
慌てて食べていたせいか、口元の端についていたシチューを親指で軽く拭われる。
次の瞬間ソルさんが、そのシチューが付いた親指を自身の口に含み舐め取ってる姿を見て、
より顔に熱が集まり、「へ…?」と掠れた声を発してしまっていた。
「こりゃあ只の熱なんかじゃねえ。所謂知恵熱って奴か。
エルフェルト、ソイツはさっさと食っちまえ。食堂の奴等をこれ以上待たせる訳にもいかないからな。」
ソルさんからの言葉に、私は瞬時に意識を取り戻し、慌てて出された食事を食べ切った。
そんな私の姿を見ていたソルさんは無言で私の頭を撫で、そのまま食事のプレートは呆気なく片付けようとするから、
思わず声をかけて引き止めてしまう。
「わ、わざわざ団長さんであるソルさんが片付けなくても…!私自ら食堂に持っていきますよ?」
「今テメェが此処の団員達にどう思われてるのか知ってるのか?
超大型ギアのドラゴンを手懐け乗ってきやがったバケモノ女って専らの噂になってやがる。」
「あっ…!」
「解ったなら、テメェは暫く此処で大人しくしていろ。
此処を寝蔵にしてる俺か、副団長であるポチョムキンしか足繁く通う奴は居ねぇ。他の団員なんぞ滅多に来ない場所だ。
その内エルフェルト、テメェの個室も用意出来る算段だが、何せこの団にゃ健在、若い女なんぞ居やがらねぇからな…
元々どいつもこいつもむさ苦しい野郎の部屋ばかりだ…用意出来るまで少し時間がかかっちまうかもしれねえが。」
「え?…こっ、此処ってソルさんのお部屋だったんですか!?
そ、そしたら…こ、このベッドって…!?
…え、えっと…昨日…ソルさんは…何処で寝てらっしゃったんですか…?」
「…そんな事わざわざ聞きてぇのか?
俺が昨晩、何処で寝てようが自由だろうが。」
「という事は…昨晩は…他の場所で…?
…ごっ、ごめんなさいっ!!!
今晩からはっ!!!私の寝る場所はそこのソファーでも!なんなら、床にでも転がして下さればっ!!!」
「おい、落ち着け。確かにコイツは俺のベッドだが、昨晩は寧ろ俺がコッチのソファで睡眠を取った。
テメェが懸念するような事は一切無いだろうが。」
「ええええ!?それこそ余計にダメですっ!!!
ソルさんこそっ!ベッドでキチンと睡眠してくださいっ!!!
貴方は、休まないとならない立場なんですよっ!!!」
「俺は何処でも寝れる。なんならギアが闊歩してやがる地上でもな。
エルフェルト、テメェは己の部屋が充てがわれるまでは大人しくそこで寝てろ。」
「そんなの!駄目に決まってるじゃないですか!!!
気になって、気になって!眠れませんっ!!!」
「…だったら、…そこに二人で寝るか?
そいつは一応ダブルサイズだ。俺が寝てしまえば多少手狭だが、テメェの体格なら、なんとかイケるだろ。」
「…へっ!?」
「それともハナっから、それを狙ってたのか?
…ったく、随分遠回りな誘い文句だぜ…」
「…なっ、な、なん!?…な、なんて事言うのっ!?…わ、わたしっ…そんなんじゃ!?…ち、違いますからっ!!!」
ソルさんが意図として言いたい事を察してしまい、まるでお顔から火が吹いたように熱い。
恥ずかしい…!!私本当に心から心配して…っ!そんなつもりじゃ無かったのに…っ!!!
お顔を直視出来なくて…自分を隠すように両手で顔を塞ぎ、思わず反らしてしまう。
「おい…エルフェルト」
「…〜〜〜〜〜っ、ぅうう!!!…暫くほっといてください…ッ!!!…ソルさんの…バカ………」
私はそう微かにそんな捨て台詞みたいなのを呟いたあと、少しでも外の空気を吸いたくて、
部屋の扉の方に小走りで歩き出す。
そんな私の行動を即見破られて呆気なく腕を掴まれ、引き寄せられてしまう。
ふと気が付けば愛しの人の胸板に私の顔が押し付けられて、肩を、腰を、その逞しい腕で囲われて、
私は完全に自分の力では一切身動きが取れなくなってしまっていた。
「っな、なななん!?!?」
「…エルフェルト、テメェは今、俺にからかわれただなんだとブチキレてるかもしれねぇがな…そりゃあ俺の台詞だ。
昨日のテメェのワケが判らん突拍子もない行動に、散々振り回された身にもなってみろ!
しかもだ…現在…この世界はギアと戦えねえ女子供は真っ先に餌食にされちまう。
女が極限まで少ねぇ世界で生きてる、欲求不満な野郎共の巣窟で無防備に闊歩してみろ…!
テメェの存在一つで、呆気なく争いの火種は飛び火しやがる…
流石に俺達は獣じゃねえ…理性ある人の身だ。
だが、この精神的にも肉体的にも極限状態の軍内で、女の存在っつうのは、
癒やしにもなるが毒にもなりやがる。
それともテメェが、そんな次の日には命が無いかもしれねぇ可哀想な野郎共の慰み者にでもなるか…?
テメェにその覚悟があるなら…船内を自由に歩けばいい。」
ソルさんからの、真面目なお話…。
確かに此処の皆さんにも、地上で待っていたご家族や恋人達が存在していた筈…
でももうこの地上は、力無い者が住める場所では…
私の存在で、ふと恋人や奥様を思い出して辛くなる団員さん達も居る筈…。
私はソルさんからの言葉を親身に受け止めて噛み締めた…。
「…確かに…そうですよね…、わかりました。…私…、腹を括ります!
それで此処の皆さんのお役に立てるのなら…喜んで身を捧げます…!
今日の食事だって、皆さんの貴重な資源を分けて頂きました。
お水だって、場所だって…
私一人がこんな安寧でぬくぬくしてる訳にもいきませんもん。
…でも、………一つだけ……一つだけでいいんで…
ソルさん…貴方にお願いしたい事が…あるんです………。
私…一応、“お母さん”には、どうすれば人類は子孫を繁栄させる事が出来るのかは学びましたけど…、
その…具体的にはどうしたら良いのか分からないですし…
わ、私…!その…男女の営み的な事って……初めてで…!
で、ですから…その…出来れば貴方に…私の初めてを貰って頂けたらと…」
ソルさんの胸にわざと自身のおでこを擦りつけながら…、言葉も途切れ途切れに伝えていく…
ううぅうう!!!余りにも恥ずかし過ぎる!
でも、ソルさんは真面目な気持ちで伝えてくれたのだから…私も真面目に返さないと…!
私の事を言い終えた辺りで、ソルさんの、私の肩にまわしていた腕の力が強くなって、
思わず痛いです…!と訴えたら、力を緩めてくれた。
「………クソ…、テメェはそうゆう…っ……」
「ソルさん?」
何か絞り出すような声を出して、私の身体を持ち上げ、次の瞬間には呆気なく、
ソルさんのベッドに私は押し倒されていた。
「…っ、テメェは、言葉の綾っつうモンが通じねぇのか!?
男女の営み以前にだ、男に全く耐性が無いテメェが、率先して大勢の野郎共の相手が出来るとは思わねえよ!」
「酷い!!!冗談だったんですかっ!?…だったらっ!何故私にそうするように伝えちゃうんですかっ!!!
てっきりそうしなきゃダメなんだって真面目に考えちゃったじゃないですかっ!!!」
「テメェは“俺がそうしろ”っつったら“全てそうする”つもりだったのかよ!?俺が野郎共と寝ろつったら、
どの野郎にも率先して股開くのかよテメェはっ!?」
「そ、そんな…っ!そんなワケ無いじゃないですかっ!!!
でも私…、私っ…………!!!
そうしなきゃ貴方の側に居られないのならきっとそうします…っ!!
だって私っ!その為に此処に来たん………っ!?」
私の心からの叫びを…呆気なくソルさんの口で塞がれ、私は思わず固まってしまい、惚けた表情で見つめ続けてしまう…
「…ったく、暴走するテメェを黙らすには、ハナっからこうしとけば良かったんだ。」
溜息と共に呟いた言葉が私の…おでこにかかり、思わず近い!と身構えてしまう。
「い、今のって……キ、キス…!?」
「ったく、そんな軽い接吻でそうなっちまうなら、不特定多数を相手になんぞ心底向かねぇな…。
…エルフェルト、俺を見ろ。…そうだ。そのまま意識を俺が与えるモンだけに集中しろ。」
ソルさんの言われた通りに意識を集中させれば、
ソルさんは、私の閉じてる唇の下の顎に指先を置き少し押す様に触れて、
少しだけ開いた唇からの隙間に蓋をするように、唇が重なった。
先程の唇と唇だけが優しく触れ合う口付けなんかじゃない。
こ、これっ!?…これはっ…所謂…ディープ…
ディープな…!?!?
ソルさんの舌の先端が遠慮なく私の口内の隅々まで舐め取るような動きに、
私は思わず涙目になって、ベッドの上だけど思わず逃げ腰になってしまう。
まっ、待って!?待ってください!!と言葉として発したいのに、とても叶わなくて、
逃げようとする私の肩を固定されて、もうなすがままにドンドン口内を、
舌を、舌裏を貪られる感覚にだんだん意識がおかしくなってってしまう。
キスのみでほぼ陥落しつつある私の両耳をソルさんはすっぽりと両手で塞ぎ、
追い打ちをかけるように態とジュ…ジュジュ…と激しく舌を吸い音を鳴らしてくる。
私の口内ではソルさんの唾液が舌先からどんどん喉奥に注がれていき、
コクコクと喉に流れて呑み込む音すら鮮明に聞こえて、私は余りにも恥ずかし過ぎて涙を浮かべた。
さっきから…身体が…下半身が…変な…変な感じに…!?
キスってこんな…!?
自分がイメージしていたモノとのギャップに、身体が震えて変な感覚から抜け出せない…。
ゆっくりと互いの唇が離れ、交わった液体がヌラヌラと互いの唇を糸を引くように伝い、
それを視界に入って余計に頬が赤くなった。
「そ、ソルさんっ!、ま、待って…、こ、こんな…こんなの…続くと…わ、私…おかしくなっちゃ…!」
「…何言ってやがる、こんなもんまだまだ序の口に決まってるだろうが。」
「え!?、嘘…これが…じょ、序の口!?
せ、性行為っ、性行為って!?!?」
「…性行為かよ…、固いな。学術的にゃそれであってるが、こんなもん…古代から続く人間の快楽の礎そのものだ。
SEXっつうモンが何故これ程までに人類を狂わしてきたのか、今からテメェに叩き込んでやる。」
◇◇◇◇◇◇
「ひゃ…ん、っ…、さっ、先程から……その、おっぱいばっかり…いじっ…て…っ、ふ、う、うぅ…ッ…」
「だけじゃ無いな。耳もだ。」
「そ、そ…ゆこと…言いたいんじゃなくて…っ!
お、お好きなんですか…?…って、聞きたかった…だけなのに…!」
「男にそいつを聞くのはナンセンスだぜ。
だが単に、テメェの反応がやたらに良い。…むしろ“そこ”が好きなのはお前だろうが。」
「ち、違いますっ!
私今日初めてですもん…っ!好きかどうかなんてまだ良くわからんな…っ…ひゃあ、あ!!!
それだめ…!だめですぅ…だめなのぉ!!!」
ソルさんの言葉に思わず睨んでしまう。そんな私の顔を見て少し微笑ったかに見えた次の瞬間に、
先程から下から持ち上げるように揉まれていた自身の胸の先端をギュッと軽く強く摘まれて、
思わず思い切り反応してしまい、頬が熱くなり、恥ずかし過ぎて瞳からは生理的な涙が滲んてしまう。
そんな私に畳み掛けるように、ソルさんから発せられる低音が容赦なく私の鼓膜を震わせて思わず身体が震えてしまう。
「どうした…もう降参か…?その否定分を肯定文に変えて言ってみろ。
そっちの方がしっくりくるだろうが…。“良い”、“好き”、“気持ち良い”ってな…?」
「…そ、そんな事…恥ずかし過ぎて言えませんっ!!!」
「今更過ぎるだろうが。テメェに羞恥心つうもんがあるなら、初っ端から俺を真正面から口説こうなんぞ思わねぇよ。」
「…ソルさんは…素直な女の子の方が好きですか…?」
「己の欲望に素直な女の方がそりゃ良いに決まってる。
解りやすいからな。気持ちを察しろやらは面倒臭くてかなわねぇ。」
「むー!女の子の恋する気持ちを面倒臭いの一言で片付けるのはだめですっ!
…物凄く本当は…気持ちを曝け出すのは…怖かったりするんですから…」
「恋愛感情なんぞ、性欲をオブラートで隠す為のラッピングみたいなもんだろうが。
そんなもんさっさと剥がして中身を頂くに限る。」
「…なんか、それがこの状況下なんだってよく解りました…
でも、私もその覚悟で“此処”に来たんです。
丁寧にラッピングしたプレゼントの中身が、相手に喜んで貰えるように頑張って選んだモノだって事、
貴方に伝えたくて私は此処まで来たんですから…!」
「確かにな…?ラッピングを脱がした中身がコイツなら、上等なプレゼントって奴だぜ。」
私のお気に入りの白色のセーラーワンピースのシャツとスカートを捲り、下着姿を眺めるソルさんの腕を必至に掴み、
「そ、そんな…まじまじと見ないで下さいっ!!!」
そう頑張って訴えるも、俺に届いたプレゼントだろうが。と全く聞く耳を持ってくれない。
「エルフェルト、お前…顔に似合わずとんでもないモン身に着けてるな…?
乳首が透けてやがる。テメェ、ハナッからその腹積りだったのかよ?」
素材が白レースのみのブラジャー越しから、ソルさんの指の腹が私の乳首(恥ずかしい!)の先端を
スリスリと擦るように触れてきて、私は思わず変な声が出そうになって、必至に耐える。
「…あ…ひゃ…ん、…!そ、そんなこと…無っ……!
……………………。………っ、…いえごめんなさい……。
私だって流石にこうゆう展開……、き…期待してなかったって言われたら嘘になりますけど………
私、常に女子力を怠らないように精進してるんですっ!
ですから…何があっても良いように常日頃から勝負下着なんですっ!!!
………って、私!ソルさんの前で何言っちゃってるのっ!?
イ、いいぃい今の言葉は忘れてくださいっ!!!は、恥ずかしい…!」
「そいつは“前の世界”でもか?」
「え?…はい、そうです…
婚活してた時は、何故か男の人に逃げられてばっかりで、自分の本当の想いが判った時=失恋って感じでしたので、
実際は誰かに下着姿を見せる機会なんて無かったんですけど…」
当時の事を振り返ってると、途端に無茶苦茶恥ずかしくなってきて、ひたすらにモジモジしてしまう。
いくら自分の使命からの脱出の為とはいえ、自分はなかなかにアグレッシブだったなぁと…
「婚活…だと…!?」
理解できないとばかりに私に迫り聞き返すソルさんに、私は何故ソルさんが怒ってるの!?と疑問を浮かべながらも、
何故か言い訳を並べるかのようにまくし立ててしまう。
「そ、それはっ!?色々理由があるんですっ!
私は“お母さん”にとある使命を実行する為だけに創られた存在で、その使命から逃れる為にイレギュラーな行動をして、
命令系統を壊そうとしただけなんですっ!
その命令系統は、今は“お父さん”の手で解除されてますからっ!!
解除されてますからぁぁあ!!!」
「…その言い分はわかるが、何故手段が婚活なのかがよく解らねぇが…」
「私…“お母さん”…あ、この場合“お父さん”か…、からの使命のせいで、“恋ができなかった”んです。
でも、人間世界に潜伏してた時、仲良くなった人間達はみんな恋をして、キスをして、抱きしめ合って、
一緒に同棲して結婚して…。時には浮気しちゃったりされちゃったりして、泣いたり苦しんたり…
私にはそんなモノ一切分からなくて、とても眩しくて羨ましくて…
そこからどんどん、恋ってものに憧れを抱くようになりました。
ソルさんのその表情、とても信じられないって感じですね…?
確かに今の私の行動や言動からだと、イメージしにくいかもしれませんけど…。“お父さん”からの命令系統で、
とある男性に対してのみ、“恋が出来ないリミッター”が外れるようになっていたんです。
まあ、そのお相手に、私は見事に失恋しちゃったんですけど…」
「…そのリミッターがお前を創った『第一の男』が目論んでいた“絶対確定世界”の設立の為の布石って奴か…」
「そうです…絶対確定世界には、その世界にて初めて生まれた新人類である私と、その新人類を増やす為の種が必要だと…。
その種の名前は“背徳の炎”…。ソルさん、貴方の事です…。」
「そりゃ…まさしく種馬ってやつだな。」
「…た、たねう…!?っ…………、そ、そうですけど…!言い方ってモノがぁあ!!」
ソルさんからの物言いにひたすらお顔が熱くなる。
「先程から俺達がやろうとしてるこの行為の事だろうが…、いや…種付けはまだか…
そもそもだ、この滅びかけてやがる世界にもはや避妊具なんぞありゃしねえ。こっから先、正真正銘の種付けになっちまうが……
まぁ、人類が枯渇しまくってやがる世界だ、ガキが一匹二匹増えた所で、この船内で育てちまえば…」
「そ、それはダメですっ!!!
私がジャスティスと融合して人間になるまで妊娠は避けてって“お父さん”が…!」
「…ああ゛!?」
「私達二人共ギア同士ですし、妊娠と出産は多分未知数過ぎて何が危険なのかも全然判らないんですよ!?
でも、私が人間にさえなれれば、その未知数は半分になりますし…
私の近しい方に、ギアとご結婚されてハーフギアのお子さんを出産されたご夫婦もいらっしゃいますし…、
全てがギアの遺伝子配合より…半分ならまだいけるんじゃないかなあ…?と…」
「ギアとの結婚だ!?未来にゃそんな頭イカれた奴が居やがったのかよ!?」
「ええ、此方の世界では既にお亡くなりになってますが、私が生まれた世界線では、
それはもうお二人は仲睦まじくて…羨ましいなぁと…!
まさしく理想の夫婦というのはあのお二人の事なんだよなぁと!!
頭イかれてるって言い方!…恋ってそうゆうモノなんじゃありませんか!?」
「…そりゃ只盲目になってるだけだろうが…」
「もういいです…ソルさんに恋の何たるかを聞いた私が馬鹿でした…
あ!そうそう!避妊のお話しましたよね?ちょっと待ってて下さい。
私の持ち物確認します。」
私は、ソルさんのベッドの上で、押し倒された体制から起き上がり、
法力を発動して、異空間から悪趣味なカラーリングでラッピングされた箱を召喚してソルさんに手渡した。
「なんだこれは?」
「…ちょっと箱の装飾や色味が悪趣味ですよね…
コレ、私が此方の世界線に向かう際に“お父さん”…、いえ、『第一の男』に、ソルさんと私が“こうゆう”雰囲気に発展し、
避妊の事で悩んだ時に渡すようにと言付けされたモノなんですけど…。
私も中身は何なのか全く知らされて無くてですね…?
気になって開けようとしましたけど厳重にロックがされてまして…」
「“避妊で悩んだ時”だと…!?」
“お父さん”からの言付けに、ソルさんが眉を潜め訝しがりながらも、ラッピングを外し、箱を開けようとする。
私が散々外そうとしたラッピングのリボンは、ソルさんの何かに反応し、法力が解除され、リボンは呆気なく解かれる。
「…こりゃ…旧言語…!?…法力が世界に普及する前の…一昔前の…」
ソルさんはブツブツと独り言を呟きながら、私から見ても特殊な魔法陣を駆使し
一回りも二回りも遠回りかつ複雑なコードを入力して箱の鍵を解除。
箱の蓋を開け箱の中身を確認し、中に一緒に入っていた手紙を取り出して一通り読み終わった後、
暫く思考停止的に固まるソルさんの様子が気になって、私が中身を確認しようと箱の中身を覗き込もうとした所…
思い切り箱の蓋を閉じられる。
「え!?ちょっ!?…中身何だったんですか!?」
「テメェは見なくていい。いや見るな。ロクなもんじゃねえ…」
ソルさんの冷や汗に、私は余計に気になってしまう。
「ソルさんだけズルい!私だって中身気になってたんです!!
それに、私とこうゆう雰囲気になった時に渡してって、
私のお父さん…(って本当は言いたくないけど)からの言付けなんですよ!
私には箱の中身知る権利があります!!」
ソルさんにしがみついて手に持ってる箱に腕を伸ばす。
ソルさんのお顔にブラジャー一枚のみの私のおっぱいを思いっきり押し付けてる気がしてるけど、
この際構ってなんかられない!
「わーたーしーてーくーだーさーいー!!!!」
散々ベッドの上で手をのばしてバタつく私を呆気なく抑え、
箱から出された中身の小さい箱となにかしらの桃色の液体が入った小瓶だけを私に投げる様に手渡された。
「あ、やっぱり中身は男性用避妊具でしたね。
…えっと、めちゃうっ○うすサイズXL…お徳用100個入り×3箱…女の子が嫌がらないポップなデザインと様々なカラーリング、カラーに応じたフルーツのフレーバー付きゼリー使用…安全安心の伝統ジャパニーズ技術の復刻…???」
「オイ、概要欄を口に出して読み上げるな!」
「こっちの小瓶はなんですか?」
「…テメェ専用の媚薬っつう、いかにもな眉唾モノだ。」
「わ、私専用…!?」
「要領用法を守って使用して下さいっつう親切な説明文入りだぜ」
「その説明文は何処に書かれてたんですか?先程のお同封されてた手紙ですかっ!?それ私にも見せて下さいっ!!」
「“テメェの父親”が、いかに頭がキチガイの気狂いクレイジー野郎っつのがまざまざと判るだけの代物だ!
…いいから、テメェは見るな。」
「そんな事…多分、私こそまざまざと痛感してます!
“あの人”には…本当に散々な目にあわされましたから…!」
だから大丈夫です!と意気揚々と手を出しても、ソルさんは目を反らして合わせてくれなくて、
私は不貞腐れながらソルさんのケチ…!と呟いた。
「テメェだって中身は予想出来てたんだろうが!」
「そうですけど…!ソルさんがそんなに動揺してるなんて!めっちゃ気になるに決まってるじゃないですかっ!!!」
「ただのデバガメ根性かよ!」
「その箱ですね!?箱に何か書かれてるんですね!?」
「っ!?…て、テメェ…!!!
…チッ………、好きにしろ…後悔してもいいならな…」
私は咄嗟に箱を掴み取り、箱の蓋を開けて、中身の確認をしてみる…。
蓋の裏面に大きく『Get down, make love』のタイトルが大きく書かれていて、箱の中の側面や底に、
その歌詞がびっしりと書き込まれている。
Get down, make love
Get down, make love
Get down, make love
盛り上がって愛し合おう
燃えながらセックスしようぜ
思いっきり愛し合おう
本気になってセックスしようぜ
You take my body, I give you heat
You say you're hungry, I give you meat
I suck your mind, you blow my head
Make love (Make love) inside your bed
Everybody get down, make love
俺の肉体を貪るがいい お前を熱くしてやる
お前は“足りねぇ”と言う なら肉体をくれてやる
俺はお前の心をむしゃぶり尽くし
お前は俺の頭を吹っ飛ばす
愛し合おうぜ お前のベッドの中で
みんな 本気で愛し合おうぜ
Get down, make love
Get down, make love
Get down, make love
盛り上がって愛し合おう
燃えながらセックスしようぜ
Every time I get hot
You wanna cool down
Every time I get high
You say you wanna come down
You say it's enough
In fact, it's too much
Every time I get a
Get down, get down
Get down, make love
俺が毎回ハイになるたび
お前は冷めちまったと言う
俺がホットになるたび
お前は頭が飛んでっちまうと言う
もう充分だからと訴える
本当を言えば行き過ぎだと
さあ本気を出して盛り上がって
思いっきり愛し合おうぜ
Make love, make love
Make love, make love
Aah!
思いっきり愛し合おう
本気になってセックスしようぜ
Get down, make love
Get down, make love
Get down, make love
Get down, make love
盛り上がって愛し合おう
燃えながらセックスしようぜ
思いっきり愛し合おう
本気になってセックスしようぜ
Every time I get hot
You wanna cool down
Every time I get high
You say you wanna come down
You say it's enough
In fact, it's just too much
Every time I wanna
Get down, get down
Get down, make love
俺が毎回ハイになるたび
お前は冷めちまったと言う
俺がホットになるたび
お前はクールになりたいと言う
もう充分とお前は言う
本当を言えば行き過ぎだと
さあ本気を出して盛り上がって
思いっきり愛し合おうぜ
「ちょ………っ、…直訳的過ぎますっ!!!!」
私は思わず蓋を思い切り閉めた後にそう叫んでしまう。
自分でもお顔が熱くなってるのを感じながら、“あの人”はそうゆう人だった!!!
あーもう!!!あー!!!も゛うっ!!!と脳内で怒りの矛先を自身の父親(不本意過ぎる)に向けてボコボコにする。
そんなこんな羞恥心で固まってる私を他所に、何やら古めかしいオーディオと円盤型の読み込み
DISCなるものを取り出したソルさんは、
何やら随分とロートルな曲を流し始め、深く溜息を付きながらドガッと強めの音を立ててソファーに座り込む。
「あ…この歌詞…」
「そうだ…。その箱に書かれてる歌詞の曲だ。
ったく…、テメェの父親っつ野郎は、トコトン人をおちょくる事に長けてるらしい」
「そうなんです……そうゆう人なんです」
その言葉になんだか思わず顔をふせってしまう…が、いやいや私は別に何も悪くないもの!
そんな事を思い直しては首を左右に振った。
「あ!ソルさん…?先程読まれてた『お手紙』も見せてくれませんか?」
「……何の事だか」
しれっとしらばっくれるソルさんに思わず私は指を指してしまう。
「ソルさんの嘘つき!!なんか今も様子が変ですし、先程、媚薬の説明書とか仰ってたの私、覚えてますからね!?」
「コイツだけは止めておけ…!!いいか!?…テメェは何も知らなかった。何も知りようが無かった。…そうゆう事だ!」
「“そうゆう事だ”って、どうゆう事ですかっ!?
ソルさんがそうゆう態度でしたら、手段は一つです。
今からポチョムキンさん達の所に行って、ソルさんにセクハラされたって訴えてきますから!!!」
「…オイ!?テメェ!?」
「この曲、QUEENの『Get down, make love』ですね!
この曲をソルさんから聞かされたって訴えたら、団員さんの何人かの方は何かしら察して下さるでしょうし!
それでも伝わらなかったら、ベッドに押し倒されて、洋服捲られましたって訴えれは…!」
「…エルフェルト!……テメェ…何が…望みだ………っ」
「“あの人”…私の父からのお手紙…手元にあるんですよね?
それを見せて下さい。」
「……見た後で、後からの文句なんぞ受け付けねぇぞ。
テメェが見たいと言ったんだ!自己責任ってヤツだぜ…」
そう言いながらしぶしぶ手紙を渡してくれて、私はそれを受け取った。
「だ、大丈夫です…!きっとこのまま見ない方が、気になって気になって仕方が無くなりそうでしたし…」
そう語りながら父からの手紙の封書を開けて、中身の一枚の畳まれた紙を取り出し、開いて中身を伺う…
『親愛なるソル=バッドガイ君、元気にしてたかい?
この度は“僕の愛しい娘”、エルフェルト”を受け取ってくれてありがとう。
今の“君”にとっては不本意かもしれないけど、この娘はこの絶望的な現実を打ち砕いてくれる鍵だ。大切に扱ってほしい。
エルフェルトは本来なら“今の君”ではない、他の世界線の“未来の君”の為に創造した。
“君”が世に生まれ落ちてからの人生を調べ尽くし、君が何を好み何を欲したか。
そんなデータの蓄積から調べに調べ上げた最高傑作がこのエルフェルトだ。
“未来の君”は最愛の人を選び純愛を貫き通し、彼はエルフェルトに惹かれながらも選ぶ事はしなかった。
彼なりに筋を通したって事だね。僕的には残念ではあったけど、此方の世界の動向もずっと気にはなっていたから、
結果オーライって事で許してほしい。
エルフェルトは全て君の為にカスタマイズした。
この娘は男性なら誰でも良いし誰にでもすぐ打ち解ける惚れっぽさあるけど、
僕の初期設定で君以外の男は皆この娘から逃げ出すように設定してたから、確実に処女だよ。
確かに処女は男側が配慮しなくちゃならないから面倒臭いよね。でもエルフェルトは感受性豊かに創造した。
人間の感覚的本能が他の人間より遥かに優れているから惚れっぽいんだね。
だからこそ浮気しそうって思うかもしれないけど、たわいない小動物の命まで慈しんじゃう程に優しい性格にしたから、
一度身を許した男を裏切るような事は良心が傷んで出来ないだろうし安心して。
まぁ最初の挿入時は君の大きさだと痛がるだろうけど、その時は一緒に同封した媚薬を使って。
エルフェルトのみに作用するように調節してあるから。
君用のも作ろうとは思ったけど、君が暴走したら色々不味いからね。
エルフェルトがエッチに乱れる姿で君も興奮するだろうし、それでまぁ我慢して。
よっぽど君が乱暴に扱わない限り、エルフェルトは君の要望に全て応えてくれるよ。
君のその“背徳の炎”は君も内心解ってるかもだけど、リミッターがある。
君がその“種”によって動物的本能に苛まれ、その内君が自作したヘッドギアでも抑えられなくなる時が来るから、
その時はもう本能に任せてエルフェルトを利用して貰っていい。
君の暴力的な本能は性欲である程度発散される。君もそれを理解してたからこそ
過去に幾度も夜の女の子達を何人も壊してしまったんだろうし。
でもエルフェルトは君の性欲を全力でぶつけられても壊れたりはしないし、なんならそのうち君を喰っちゃうかもしれない。
エルフェルトを“知ったら”君はもう手放せなくなるよ。
腟内も君専用にカスタマイズしてるから、気持ち良すぎてセックス依存症にならないようにね。
あ、そうそう。世界を確実に救いたいのなら、エルフェルトがジャスティスと融合して人になるまで避妊はしてね。
でも、どうしても世界を滅ぼしたくなったら、ヴァレンタインであるエルフェルトを態と孕ませて
背徳の炎とヴァレンタインの遺伝子を含んだ最悪のギアを世に生み出すのもまた一興かもしれない。
君達の世界の灯火は微かなモノだ。君の想いで世界の命運は変わる。
君が世界に絶望して滅ぼすのも僕は一興とも思ってるんだ。
その際は全ての世界線が壊されて何もかも無に帰すけど、僕はそれでも構わないよ。その方がドラマになる。
でも、それはエルフェルトが赦してくれないね。
君が少しでもこの娘を好ましく思うのなら、この娘の願いを叶えてやって欲しい。この娘は僕が残せた唯一のモノだから。
P.S この手紙と箱の裏側をエルフェルトに見せたら確実にキレられる事請け合いだ。その様子を見れなくてとても残念だよ。
QUEENは良いよね。僕も人だった時はよく愛聴していた。
君に気に入って貰えると嬉しい。』
「……………、“この人”は…!!!」
私は手紙を読んだ後、色んな感情に苛まれて、思わず顔を両手で塞いでふせってしまう。
ゔぁあぁ!!!もう!!!も゛う!!!何なの!?
デリカシー!!!デリカシーが無い!!!!
手紙を思わずギュッと握りしめて、一人ワナワナと耐えていたら、
「だから見るなと言ったんだ」とソルさんからの一言。
「こ、こんなの…酷すぎますっ!!!これが父親が娘に対する仕打ちですかっ!?
娘の好きな人に渡す手紙の内容じゃないですよぉおおっ!!!」
両手で顔を覆ってその場でしゃがみ込む私の肩にポンと叩かれ、
「まあ、アレだ。…不慮の事故と思え、いいからさっさと忘れろ。」
優しく声をかけられる。
「ソルさん…」
「なんだ?」
「男の人って、処女は面倒臭いんですか?」
「ああ゛!?何だ!?藪から棒に!?」
「手紙にそう書かれてたじゃないですか…だから…気になって…」
「そんなもん人によるだろ!?」
「じゃあソルさんはどうなんですかっ!?
やっぱりソルさんも、処女は面倒臭いって思うんですかっ!?」
「…っ、なんでそんなもんいちいちテメェに伝えなきゃならねぇ!?」
「っ〜~〜〜〜!!!わかりましたっ!!!
今から団員さんの何方かに私の処女膜破ってもらってきます!!!!」
そう一言大声で叫んで、部屋から出ようと振り返ったら、案の定、ソルさんに腕を掴まれて捕縛される。
「……だから、こんな毒にしかならねぇモン見るなっつったんだ!!」
心底呆れたような、でも、少し諭すような強い物言いに、私は思わず涙腺が緩んでしまう。
「だって、だってっ!!気になるじゃないですか………っ、私の事…どう書かれてるんだろうかって…。
もう…内容酷くてめちゃくちゃで最悪な気持ちですけど…………。」
不意に視線を反らすために横に向いたら、その反動で涙がこぼれた。
「…エルフェルト、お前こそ後悔しねぇのか?
この手紙を書いた糞野郎の力ならば、お前は元いた世界に帰る事も出来る筈だ。俺はお前が求めてる“俺”じゃねぇ。
テメェには悪いが、俺は俺であって他の何者でも無い。
今まで通り、己の思うがままに生きて死ぬ。
お前の指図すらも聴く耳なんぞ一切持たねぇ。そんな男だ。」
「…でしたら何も問題ないじゃないですか。私も“私のしたい事をしたくて”此処に来たんです。
私…ううん、“私達ヴァレンタイン”は、使命を全うする為だけに生まれてきました。
“お母さん”が人類を滅ぼしたいと願っていたから、私達も人類を滅ぼす事が正しい事だと信じていました。
でも途中から、それはおかしい事だって人類を知る度に強く思いはじめてきて…
でも種の使命として創造主に逆らう事は出来なかった…。
けれどそれは間違いだって私に教えて下さったのは、あちらの世界のソルさんでした。
“運命なんてまやかしだ。そんなもんはぶっ飛ばせ”って」
「ハッ…そりゃ…間違いねぇな…」
「私は元いた世界での自分の運命を変えたくて此処に来たんです。例えあちらの世界のソルさんでも、
目の前の“貴方”でも変える事は出来ない。私の想いは私だけのモノです。
私、“貴方”に初めてお逢いしてからまだ二日目ですけど、やっぱり“貴方”が好きです。
ですから貴方がカイさんから想いを託されて守って来た世界を私も護りたい。
貴方が例え、私の想いを信じてくれなくても、私は私の望みで貴方の側をこれからもずっと離れませんから
覚悟してくださいね!」
「…ったく、とんでもねぇモンに懐かれちまったもんだな」
「そうですよ!貴方が望むなら忠犬より尽くす所存です!御主人様ぁ!なんちゃって!」
「…尽くすとかはいい、お前がそんなもん向いてるとは思えないからな。
ヘマ起こされそうだ。」
「…むむむ、確かにそうですけど…私、何かしら貴方のお役に立ちたいんです…」
「なんだ、そんなもん簡単じゃねぇか。」
そう言って、ソルさんはベッドに転がっていた、“めちゃうっ○うすサイズXL…お徳用100個入り×3”と表示された箱を
開けて、中身のスキンが入ったパックの帯を出し一つだけ噛みちぎり、私の腕を引っ張ってベッドに押し倒した。
「えっ、きゃ!?」
「…なんだ?今更怖じ気付いたのかよ?」
「そ、そんな事…!?…ただ、ちょっとびっくりしちゃっただけで…」
「そんな格好で好きだのなんだの散々煽られまくったからな…
エルフェルト、覚悟しやがれ…
“Make love inside your bed ”(ベッドの中で愛し合おうぜ)ってな。」
「は、はい…こんな私で良ければ…よろしくお願いします…
先程も言いましたが…
は、初めてですので…優しく…愛して下さいね…?」